著者
羽賀 正和 吉川 徹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.55-62, 2011-04-25 (Released:2011-12-27)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本研究は、都市形態や都市構造に多様な影響を与える地形、特に坂が小売り商店に立地に与える効果に着目し、実際の都市空間における小売り商店の分布を調査して、傾斜角との関連を分析することを目的とする。このために、東京都世田谷区下北沢において、商店街が途切れる傾斜角の値を求めた。始めに、地理情報システムを用いてクランピング法による分析を行ったところ、小売り商店が集合している領域に比べ、小売り商店から離れている領域の傾斜角は大きいことが判明した。さらに、下北沢駅からの距離帯別にAICを用いた統計的分析を行ったところ、駅から300メートル以内では2~6度の傾斜角で商店街が途切れる傾向があることが判明した。その一方で、駅から300m以遠では明瞭な傾向が観察されなかった。