著者
古川 健亮 谷 聡 福田 昌輝 西澤 昭彦 坂井 誠 森田 宗孝 今西 築 山下 順平 北澤 荘平 老籾 宗忠
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.96, no.2, pp.160-163, 1999-02-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
6

症例は25歳女性.右下腹部に手拳大の腫瘤を認め入院.虫垂炎に併発した腹腔内膿瘍を疑い,右半結腸切断術を行ったが,切除標本にて腸結核と診断された.その後,抗結核療法を開始し,1カ月後には炎症所見の改善と残存潰瘍の消失を確認した.最近の結核が種々の医療基盤の変遷によって特異な形で出現することもあると考えられ,本例では腹腔内膿瘍による腹部腫瘤を初発症状とした貴重な1例として報告した.
著者
中田 邦也 早川 みち子 横野 浩一 内海 正文 吉田 泰昭 老籾 宗忠 馬場 茂明
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.528-532, 1986
被引用文献数
1

症例は38才,主婦.身長156cm,体重65kg.満月様顔貌,中心性肥満,高血圧を示し, Cushing症候群が疑われ当科へ入院した.尿中170HCS高値,尿中17KS正常で,血漿cortisolは常時高値で日内リズムは消失し,血漿ACTHは常時測定感度以下であつた. dexamethasone 2mgおよび8mg負荷で共に血漿cortisol,尿中170HCSの抑制はみられず, metyrapone 3g負荷でも尿中170HCSは増加反応を示さなかつた.また, CTscan,副腎シンチ,血管造影等各種画像診断にて両側副腎腫瘍が疑われた.手術にて右副腎に25×21mm,左副腎に18×14mmの腫瘍を摘出し,組織学的に共に腺腫と診断された.