著者
森住 哲也 鈴木 一弘 能登 正人 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.363, pp.35-40, 2011-12-10
被引用文献数
1

"変動的秩序"の中に公私の価値の循環を実現するクラウドシステムにおいて,行為の連鎖をひとまとまりのParticleと見做す群知能システムは,ウィトゲンシュタインの"言語ゲーム的概念"を持つのかもしれない.即ちその問いは次の通りである.群れのパラメータをどのように観察したらよいか.個々のパラメータをどのように調整すればシステム全体が調和するのか.そのようなメカニズムは,ほんとうに"善く生きること"に繋がるのか.群知能のパラメータは,ある種の超越的な"善く生きること"に結びついているのではないか.本論文の主張は次の通りである.行為のparticleを群れと見做すとき,群知能のパラメータは心の問題に関わる進化的な言語ゲームの概念に繋がる.そしてそれは,ソクラテスがいう"善く生きることの一つ"に違いない.
著者
加藤 大樹 李 嘉誠 能登 正人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2J4GS1003, 2022 (Released:2022-07-11)

近年、株価予測に関する研究が盛んに行なわれている。株価予測では始値や終値を利用して予測を行うテクニカル分析が主流となっている。この手法ではデータの傾向を掴み予測するため、データによって予測のしやすさが異なる。従来は主に日足、研究内容によってはその他の分足などが人の手によって選択されてきた。現状、選択した足が最も適切である根拠が薄く、結果をより改善できる可能性が存在する。本研究では、機械学習と統計的手法の結果を関連付ける手法を提案する。実験では、USDJPYをベースに複数の時系列を使用する。まず、予測しやすい足の調査を簡単なLSTMモデルを用いて行う。その結果に対して統計的な裏付けを行うことで、説明可能性への足がかりを掴むことを目的とする。実験の結果、足ごとの予測精度に違いがあることが分かった。また、データとの相関も確認できた。最後に、本研究を利用して説明可能性を広げる機会について述べる。
著者
難波 脩人 辻 順平 能登 正人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1F3OS17a04, 2019 (Released:2019-06-01)

近年,熟練農家の知見を再現するために教師あり学習を用いた研究が盛んにおこなわれている.一方で,農業のような複雑な要因が絡む作業において農家が行っている農作業が最適かどうか判断することは困難であり,農家の知見から集めた訓練データを用いて学習した結果が最適解かどうかの判断は難しい.我々は熟練農家の知見に依存せずに学習を実行する強化学習によって栽培の最適化を行うことを目的とした.植物に対して強化学習を適用する際に重要な点として状態の定義があげられる.植物の状態は時間とともに変化することから同じ状態は1試行の中に1度しか現れず,Qテーブルを作成することが現実的ではない.また,植物は短期間に何度も栽培できないため,学習に必要なデータが十分に集まらず,学習が収束しない恐れがある. 本研究ではQ関数の作成にニューラルネットワークによる関数近似を用いる手法を採用した.さらに,学習が収束しない可能性を考慮し,experience replayによる過去の経験を再利用することでデータ数の少なさをカバーした.結果として,植物は自らの背丈に合わせて潅水量を決定する行動をとる様子が確認できた.
著者
上鍋 秀幸 能登 正人 森住 哲也 木下 宏揚
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.1L2R71, 2012 (Released:2018-07-30)

近年,我々はインターネットを通じて様々な情報のやり取りを行っている.このようなインターネット社会では,実社会と同様に多種多様な人間の価値観が存在するが,この価値観を社会シミュレーションモデルにおいて表現することは簡単ではない.本研究では,インターネット社会での人々の価値観の違いによる情報伝播の影響を分析するために,群知能アルゴリズムを用いたエージェントベースの社会シミュレーションモデルを提案する.
著者
辻 順平 能登 正人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.C-H98_1-9, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
14

In the theme park problem, it is important to find a coordination algorithm that effectively shortens the visiting time of an entire theme park while guaranteeing individual optimality for each visitor. In a previous study, a coordination algorithm, called statement-based cost estimate (SCE), was proposed that allows individual visitors to select plans that minimize a visitor’s visiting time while shortening the visiting time of the entire theme park. However, the improvement in visiting time was not sufficient from their experiment using SCE. We thought it necessary to relax the premise constraint “minimize individual visiting time” to further improve SCE. In this paper, we propose a framework to further reduce visiting time by considering Pareto optimality. In the proposed framework, each visitor determines several Pareto optimal plans based on the evaluation value calculated using SCE and presents them to a coordination system. Then, the coordination system searches for the entire optimal plan that minimizes the predicted value of the total visiting time of the entire theme park among the Pareto optimal plan candidates. The proposed framework guarantees visitors’ “personal optimality” in the meaning of Pareto optimality, and there is a possibility that the framework will shorten the visiting time of the entire theme park. We conducted a simulation experiment using a coordination algorithm based on the proposed framework and clarified the effectiveness of the framework.
著者
遠藤 博人 能登 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.78, pp.13-18, 2003-05-16
被引用文献数
1

インターネット上での情報流通手段として,E-mail,Instant Message,WWW(World Wide Web),Messanger,chatなどが一般的に用いられている.ユーザはこれらの手段を用いることで新しい情報を得ているが,同一手段上に大量の不要な情報も併存するため,興味のある必要な情報だけを的確に得るためには非常に大きな労力がかかってしまうという問題がある.そこで本稿では,より円滑な情報収集を可能にするために,情報の信頼度とユーザの嗜好性に注目し,送られてきた情報を次々に他ユーザヘ転送するという口コミモデルに基づく情報伝播システムをWeb上に構築し,システムの評価をする.