著者
森住 哲也 鈴木 一弘 能登 正人 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.363, pp.35-40, 2011-12-10
被引用文献数
1

"変動的秩序"の中に公私の価値の循環を実現するクラウドシステムにおいて,行為の連鎖をひとまとまりのParticleと見做す群知能システムは,ウィトゲンシュタインの"言語ゲーム的概念"を持つのかもしれない.即ちその問いは次の通りである.群れのパラメータをどのように観察したらよいか.個々のパラメータをどのように調整すればシステム全体が調和するのか.そのようなメカニズムは,ほんとうに"善く生きること"に繋がるのか.群知能のパラメータは,ある種の超越的な"善く生きること"に結びついているのではないか.本論文の主張は次の通りである.行為のparticleを群れと見做すとき,群知能のパラメータは心の問題に関わる進化的な言語ゲームの概念に繋がる.そしてそれは,ソクラテスがいう"善く生きることの一つ"に違いない.
著者
伊井 公一 山中 健行 鈴木 一弘 廣瀬 健人 神野 佑輔 山田 和政
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.763-767, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
27
被引用文献数
2 1

〔目的〕TUGテストにて転倒リスクが低いと判断される高齢者の転倒要因を明らかにし,転倒予防について検討した.〔対象と方法〕TUGテストが13.5秒以内の高齢女性29人を,非転倒群と転倒群に分類した.歩行課題と起立-歩行課題における定常歩行に至る歩数,起立-歩行課題における起立動作時の前方重心移動速度,身体運動機能,転倒恐怖心を調査し,2群間で比較した.〔結果〕非転倒群(19人)と比較して転倒群(10人)は,起立-歩行課題で定常歩行に至る歩数が1歩多く,前方重心移動速度は有意に遅く,また転倒恐怖心のみ有意に低かった.〔結語〕転倒経験のある転倒低リスク高齢者の転倒要因は転倒恐怖心であり,転倒予防として動作方法の工夫もそのひとつの手段であると考えられた.
著者
嶋田 誠一郎 佐々木 伸一 井村 慎一 鈴木 一弘
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法のための運動生理 (ISSN:09127100)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.75-80, 1988 (Released:2007-03-29)
参考文献数
10

膝蓋腱反射を通して運動が筋緊張に与える影響を推察する事を目的とし、以下の研究を行った。研究は、健常者23例、膝蓋腱反射亢進を示す症例8例に対し膝関節屈曲伸展の交互等速度運動を行わせ、膝蓋腱反射に与える影響を経時的に測定した。その結果、等速度運動終了後、健常者で運動開始前との間に運動終了後1分、同3分、同5分で有意な振幅の増加が認められた。症例では、運動終了後1分および同3分で運動開始前との間に有意な増加が認められた。本研究により理学療法を試行する際、筋緊張を考慮したい症例の場合は、運動の強度やインターバルを調節する必要性が示唆された。
著者
長尾 有佳里 鈴木 一弘 新保 暁子 坂堂 美央子 齋藤 愛 廣村 勝彦 安藤 智子
出版者
日本産科婦人科内視鏡学会
雑誌
日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 (ISSN:18849938)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.399-405, 2016 (Released:2016-05-17)
参考文献数
10

Anti-N-methyl-D-aspartate (NMDA)-receptor encephalitis is a paraneoplastic encephalitide that causes various symptoms. It occurs especially in young women, with about 60% of cases being associated with ovarian teratoma.   We report two cases of emergency laparoscopic surgeries for anti-NMDA-receptor encephalitis associated with ovarian teratoma.Case 1: A 17-year-old woman had headache, fever and vomiting. A week later, she also had abnormal behavior and hallucination and entered hospital. CT scan detected left ovarian teratoma. As anti-NMDA-receptor encephalitis was suspected, she underwent laparoscopic left ovarian cystectomy. She needed post-operative respirator management for 2.5 months. Although discharged after 4.5 months, she was sent to a psychiatrist after 7 months because of domestic violence. The pathological diagnosis was an immature teratoma, but there is no sign of recurrence.Case 2: A 26-year-old woman had fever, headache and fatigue. A few days later, she also had memory disorder and entered hospital. CT scan detected right ovarian teratoma. As anti-NMDA-receptor encephalitis was suspected, she underwent single incision laparoscopic right salpingo-oophorectomy. She needed post-operative respirator management for 9 months and left hospital after 1 year. The pathological diagnosis was a mature teratoma.  Antibodies against NMDA-receptor were positive in both cerebrospinal fluids.  Early diagnosis and surgery are important for quick recovery of anti-NMDA-receptor encephalitis associated with ovarian teratoma. Even so, patients don't necessarily recover quickly without aftereffects. We should review operative methods, because the patient is young and cannot agree and immature teratoma prevalence is high. Whether a tumor is benign or malignant, it is important to prevent leakage of tumor contents whenever possible.
著者
森住 哲也 鈴木 一弘 木下 宏揚
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.3, pp.1-8, 2010-05-15
被引用文献数
1

インターネットで情報流を制御する複雑系のエージェントを提案する.着眼点は,「公共性と私性に関する価値が,公私の間を循環するとき,相互の矛盾が情報漏洩・情報改竄の問題を引き起こす.」 と観る事である.本論文では,マルチエージェントの相互作用を,哲学と社会システム論の視点から捉え,その人文科学的見地を情報流制御に反映させる.情報流は,本論文で新たに定義する色彩循環のアナロジーとして記述され,マルチエージェント・シミュレータによって制御パラメータを解明する枠組みを示す.It proposes the agent of complex systems to control the information flow on the Internet. When the publicity value and the privacy value circulate between them, the contradiction of each other causes the problem of the information leakage and the information falsification. In this paper, the multi agent's interaction is caught from the aspect of the philosophy and the social system theory, and the cultural science viewpoint is reflected to the information flow control. The information flow is described as an analogy of the color circulation defined newly in this paper, and shows the frame to which the control parameters are clarified with the multi agent simulator.
著者
森住 哲也 鈴木 一弘 木下 宏揚
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2010-CH-86, no.3, pp.1-8, 2010-05-15

インターネットで情報流を制御する複雑系のエージェントを提案する.着眼点は,「公共性と私性に関する価値が,公私の間を循環するとき,相互の矛盾が情報漏洩・情報改竄の問題を引き起こす.」 と観る事である.本論文では,マルチエージェントの相互作用を,哲学と社会システム論の視点から捉え,その人文科学的見地を情報流制御に反映させる.情報流は,本論文で新たに定義する色彩循環のアナロジーとして記述され,マルチエージェント・シミュレータによって制御パラメータを解明する枠組みを示す.
著者
戸田 瑛人 森住 哲也 鈴木 一弘 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.115, pp.45-49, 2009-06-25

クラウドはインターネット内にあるリソースの関係が述語論理で記述され,そこに名前空間が関係付けられた論理システム,即ち,意味論である.近い将来,個人情報や企業機密を含んだリソースもクラウドのシステムに組み込まれる事が十分考えられ,covert channelと呼ばれる不正通信路による情報漏えいが危惧される.そこで,covert channelを分析するセキュリティモデルとクラウドを如何にして対応付けるかが課題となる.また、大規模クラウドに於けるcovert channel分析は,計算量が膨大になる事が考えられるため、covert channel分析を分散化する事が必要である.本論文では,Googleが採用している大規模検索エンジン"Hadoop"をクラウドにおけるエージェントシステムのリソース収集・整理ツールとして応用し、さらにセキュリティモデルを実装したエージェントと融合させたシステムを提案する.また、その際に生じるいくつかの課題を示す.
著者
戸田 瑛人 森住 哲也 鈴木 一弘 木下 宏揚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.113, pp.45-49, 2009-06-25

クラウドはインターネット内にあるリソースの関係が述語論理で記述され,そこに名前空間が関係付けられた論理システム,即ち,意味論である.近い将来,個人情報や企業機密を含んだリソースもクラウドのシステムに組み込まれる事が十分考えられ,covert channelと呼ばれる不正通信路による情報漏えいが危惧される.そこで,covert channelを分析するセキュリティモデルとクラウドを如何にして対応付けるかが課題となる.また、大規模クラウドに於けるcovert channel分析は,計算量が膨大になる事が考えられるため、covert channel分析を分散化する事が必要である.本論文では,Googleが採用している大規模検索エンジン"Hadoop"をクラウドにおけるエージェントシステムのリソース収集・整理ツールとして応用し、さらにセキュリティモデルを実装したエージェントと融合させたシステムを提案する.また、その際に生じるいくつかの課題を示す.