著者
中川 良二 能登 裕子 八十川 大輔 釜谷 豊和
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.26-32, 2007-01-15 (Released:2007-10-04)
参考文献数
13
被引用文献数
1 3

細菌数の最も多い八分乾ミガキニシンにおける製造工程中の細菌数および主要細菌種の変化,さらにアミノ酸や有機酸量の変化について調べ,ミガキニシン製造における細菌の関与について検討した.製造工程中の細菌数は乾燥工程で増加し,最終日の4日乾燥後には1.3×108cfu/gに達した.各工程における主要細菌を調べたところ,乾燥工程ではこれまでの工程では殆ど検出されなかったStaphylococcusが急速に増加し,乾燥の最終日である4日乾燥後では70%(21/30)の割合で検出された.それらは全てがS. saprophticusの近縁種であろうと推定され,これらの細菌がミガキニシンの腐敗抑制に関与している可能性が推察された.また,ミガキニシン乾燥工程中のアミノ酸および有機酸の生成量を調べたところ,際だった変化はみられなかった.
著者
能登 裕子 村木 里志
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.97-107, 2019 (Released:2019-12-20)
参考文献数
19

本研究は, 車いすの段差乗り上げ時の介助操作の容易性向上, 介助負担の軽減を目的とし, ティッピングレバーの形状と位置を比較検討した. 介助者は高齢女性15名とした. 形状3条件, 位置6条件 (高さ2条件, 長さ3条件) のレバーを用いて, レバー踏み込み動作時の足底圧, 筋活動, 姿勢角および主観評価を計測し, 介助負担と操作の容易性を評価した. 形状条件では, 平坦型が円筒型にくらべ踏み込み面積の増加とともに踏み込みやすさが向上した. 位置条件では, 高さ2条件とも標準長さ+40mm以上のレバー条件にて, 踏み込み位置が踵側で行われるとともに筋活動の減少傾向を示した. また, 高さが低い条件では, 股関節と膝関節が伸展する傾向があった. 一方で, 車いすの速度と乗車者の乗り心地には変化がみられなかった. 以上の結果から, 踏み込み面の平坦化と標準長さ+40mm長さのレバーは, 乗車者の乗り心地を低下させることなく, 介助者の操作の容易性を高めることが示唆された.