- 著者
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森本 明大
杉村 正彦
河田 敦
川崎 雅史
脇坂 康尋
大見 忠弘
- 出版者
- 社団法人エレクトロニクス実装学会
- 雑誌
- エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.4, pp.262-268, 2006-07-01
- 参考文献数
- 10
- 被引用文献数
-
3
配線の高精度化,信号の高速化に伴い,各種パッケージやプリント配線板の設計精度の向上,製造精度の向上,材料の特性改善およびこれらの協調が求められている。特に高周波領域における損失を削減するためには,表面粗化を行わずに銅めっき膜を密着させることが必要である。これらに対し筆者らは,表皮効果を考慮したRLGCモデルを用いることによる設計精度の向上と,表面粗化を行わずに良好な銅めっき膜の密着(9.2N/cm)を確保することのできるビルドアップ用低誘電率(ε_r=2.75)・低損失(tanδ=0.0099)樹脂の開発を行い,これらの検証を行った。37μm厚の樹脂フィルムを用いて50Ωのマイクロストリップライン(配線幅88μm,配線厚15μm)を作成し伝播特性の計測を行った結果,10GHzにおいて従来(ε_r=3.4,tanδ=0.022,配線幅77μm,配線厚15μm)の約1/2である0.37dB/cmの伝送損失を達成した。さらに,表皮効果を考慮したRLGCモデルがよく一致することが確認され,これを用いて損失の内訳を算出した結果,誘電体内での損失と配線金属での損失の両者を効果的に低減することができることが実証された。