著者
臺丸谷 美幸
出版者
国立研究開発法人水産研究・教育機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

アメリカ合衆国市民として朝鮮戦争へ従軍した日系アメリカ人二世に焦点をあて、従軍が彼らの社会生活へもたらした影響をジェンダーとエスニシティの視点から解明した。カリフォルニア州出身者を対象とし、日系新聞の分析、退役軍人へのインタビュー調査、朝鮮戦争記念碑建設などにみる従軍経験の再記憶化の考察を行った。日系二世たちにとって従軍経験は退役後の社会参入を促し、進学や就職へ直結する生活基盤を築く契機となったが、この背景には1950年代の冷戦対立と国内の人種政策が密接に絡んでおり、これは合衆国における移民の排除と包摂を巡るポリティクスとして捉えることが可能であることを示した。