著者
舟木 貴久 村山 明生
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.303-312, 2004-10-29 (Released:2007-12-21)
参考文献数
11

大規模システムをめぐる事故への法的対応を論じるにあたっては, 原因究明に基づく適切な対策の実施と法的責任追及による制裁のバランスをどのように図っていくかが重要な論点となる.本論文ではフランスの航空事故調査の法システムを取り上げ, 原因究明を行うBEA, 責任追及を行うGTA, 行政処分を行うDGACの任務・権限, 組織, 調査件数, 人員, 調査の流れ等を調査整理した. フランスの航空事故調査システムはBEAにおける専門性を確保した調査体制, GTAという航空機事故に特化した警察組織の存在, GTAとBTAとの証拠の融通, 調査の連携, 証拠や調査結果の流用などの点で特徴的である.最後に, 日米仏の比較整理を行うことにより, 航空事故をめぐる安全確保の法システムのオプションの抽出とその選択の考え方の例を提示した.
著者
村山 明生 古場 裕司 舟木 貴久 城山 英明 畑中 綾子 阿部 雅人 堀井 秀之
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.338-351, 2003
被引用文献数
5 4

耐震性に関する既存不適格住宅について,その耐震診断,耐震補強の実施を促進させるための新たな制度的対策の研究を行った.新たな制度的対策として,中古住宅売買/賃貸時説明責任制度,沿道既存不適格建築物耐震改修補助制度,生命/損害保険耐震性割引制度,中古住宅耐震性価格査定制度,減災耐震改修促進制度,地震倒壊危険建築物利用制限制度の6つを抽出した.研究方法として,原因仮説体系の設定,ユーザー意識インターネットアンケート調査による原因考察,対策現状を踏まえた新たな制度的対策の考案,ユーザー意識インターネットアンケート調査による効果考察,法的観点からの妥当性評価を行った.