著者
山崎 瑞紀 高木 彩 池田 謙一 堀井 秀之
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.77-86, 2008

The present study examined the determinants of public trust in railroad companies. The constructs studied were as follows: trust in companies, familiarity toward companies, recognition of company values, perceived frequency of traffic accidents, perceived involuntary risk, perceived function as watchdogs of other institutions, and perception of safety measures. We conducted a survey in the Tokyo Metropolitan area and obtained answers from 1,081 respondents. The postulated model was tested using structural equation modeling procedures. The results indicated that the proposed model fits the data very well. It was shown that perceived function as watchdogs, perception of safety measures, recognition of company values, and familiarity had direct effects on trust.
著者
豊田 武俊 堀井 秀之
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.16-24, 2003
被引用文献数
2 4

著者らは、昨年発覚した原子力発電所トラブル隠し等の信頼失墜に至った不祥事の背景・要因の分析を実施している。調査では、問題の全体像を把握し、本質的な要因を抽出することを目指している。本稿では、研究開始時に、方針や方向性を検討するために実施した問題の全体像の把握手法について紹介する。分析の材料としては、原子力発電所トラブル隠しに関する新聞記事を用い、分析手法としては構造モデル化手法を採用した。この手法により、問題の構造を表わす図を描くことができ、問題分析の方向定め、またインタビュー調査において情報を抽出する上で有用であることが確認できた。
著者
西郷 貴洋 小松崎 俊作 堀井 秀之
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.87-98, 2010 (Released:2011-09-14)
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

2006年から2007年にかけて高知県東洋町で発生した高レベル放射性廃棄物(HLW)処分地候補の文献調査への応募を巡る紛争においては,住民間で激しい対立が起きて冷静な議論ができず,町内に禍根を残した.本研究では今後の処分地選定においても懸念される対立の緩和に資する教訓を得るため,東洋町での紛争の政治過程分析・対立要因の抽出・解決策の導出・解決策のシナリオ分析を行った.その結果,公募に基づく当時のHLW処分地選定制度に起因し,住民の対立感情や住民間の禍根といった問題の解決を困難にしている要因の一つとして,「自ら応募し,交付金を受け取るという構図」の存在により,金目当ての応募であるという批判に反論できないという要因を抽出した.
著者
村山 明生 古場 裕司 舟木 貴久 城山 英明 畑中 綾子 阿部 雅人 堀井 秀之
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.338-351, 2003
被引用文献数
5 4

耐震性に関する既存不適格住宅について,その耐震診断,耐震補強の実施を促進させるための新たな制度的対策の研究を行った.新たな制度的対策として,中古住宅売買/賃貸時説明責任制度,沿道既存不適格建築物耐震改修補助制度,生命/損害保険耐震性割引制度,中古住宅耐震性価格査定制度,減災耐震改修促進制度,地震倒壊危険建築物利用制限制度の6つを抽出した.研究方法として,原因仮説体系の設定,ユーザー意識インターネットアンケート調査による原因考察,対策現状を踏まえた新たな制度的対策の考案,ユーザー意識インターネットアンケート調査による効果考察,法的観点からの妥当性評価を行った.
著者
井上 純哉 堀井 秀之
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.654, pp.63-75, 2000-07-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
30

本研究は不可逆過程の熱力学を出発点として, 変形の局所化現象, 特に構造物規模で発生する局所化現象において変形が局所化して行く過程を解析する手法を提案するものである. 解析はまず, 簡単な一次元の亀裂モデルからスタートし, 解析手法の概要の説明を行い, 更には現実的なコンクリート梁の亀裂進展問題に発展する. このコンクリート梁の解析により, 構造物の破壊現象においては本解析手法のような分岐現象を物理的に解析しうる解析手法の必要性が示された.
著者
堀井 秀之 小松崎 俊作 中川 善典
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

東洋町(日本)・ヴェレンベルグ(スイス)・ビュール(フランス)・慶州(韓国)における放射性廃棄物処分地決定プロセスの政治過程分析を通じて,情動的ステップと理性的ステップの2段階で構成される住民の態度形成過程を分析するモデルを構築した.そのモデルを用いて日本の政治過程を再度分析した結果,信頼や恐れ,怒りといった要因が影響する情動的ステップの段階で反対態度が形成されているにも関わらず,交付金等理性的ステップでの影響要因を操作する立地政策が採られていることが本質的課題であると示唆された.
著者
鷲田 祐一 三石 祥子 堀井 秀之
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-15, 2009 (Released:2010-05-14)
参考文献数
10
被引用文献数
7 6

本研究では, 8つの代表的な科学技術研究開発領域と, 「スキャニング」手法を用いて作成された近未来における社会変化シナリオとの「交差点」で発生する多様な社会技術問題を議論することを目的とした. 各専門領域における有識者が「スキャニング」データベースを用いて, 生活者視点での社会変化シナリオを構築することで, 他の技術普及予測があまり取り扱わない外部性要素をうまく取り込むことができた.