著者
椎山 理恵 持丸 奈央子 舩越 建 大山 宗徳 菅井 基行 天谷 雅行
出版者
協和企画
巻号頁・発行日
pp.193-196, 2018-02-01

<症例のポイント>toxic shock syndrome(TSS)は黄色ブドウ球菌の産生するtoxic shock syndrome toxin-1(TSST-1)やエンテロトキシンが原因となって、高熱、全身性の皮膚の紅斑、ショック症状をおこし、多臓器不全をおこすブドウ球菌感染症の一種である。タンポンを使用していたこと、また口腔粘膜の充血と体幹・四肢にびまん性の境界不明瞭な紅潮を呈した特徴的な皮疹から、早期にTSSを疑い治療開始したことで救命しえた。患者の腟・タンポンの培養から検出されたStaphylococcus aureusはMSSAであり、TSST-1/SECの毒素産生株であったことが確認できた。
著者
石河 晃 舩越 建 石井 健 大内 健嗣 清水 篤
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

落葉状天疱瘡は全身の皮膚に水疱、びらんをきたす自己免疫疾患であるが、自己抗体が抗原に結合してから水疱発生までの機序は明らかではない。本研究では正常ヒト皮膚器官培養にクローン化した抗体を局所注射し、経時的に超微細組織変化を観察した。病原性抗体注射後2時間後にはデスモソームの減少が見られ、22時間後にはデスモソームの消失と細胞離開が見られた。デスモソームの数が減少することによる細胞離開の経路が存在することが推察された。