著者
菅野 靖幸 加藤 泰之 山内 秀昂 陣野 太陽 伊達 勇祐 佐々木 健一 清水 篤 木山 宏
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.288-290, 2020-09-15 (Released:2020-09-30)
参考文献数
18

症例は65歳男性.僧帽弁位機械弁のためワーファリンを内服していたが,エドキサバンに変更された3カ月後に急性心不全を呈し当院に搬送された.透視下での機械弁開放制限と僧帽弁圧較差の上昇を認め,血栓弁と診断し緊急再僧帽弁置換術を実施した.術後は良好に経過し,合併症なく術後10日目に自宅退院となった.機械弁使用症例に対しては,ワーファリン使用の必要性についてかかりつけ医や患者本人および患者家族への十分な啓蒙が必要である.
著者
周藤 行則 周藤 明美 清水 篤 石河 晃 永田 雅彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.121-123, 2005 (Released:2006-10-27)
参考文献数
8

5歳齢, 雄のミニチュア・ダックスフントに皮膚の過伸展と脆弱性がみられた。頚部背側の皮膚伸展指数は20.9%と著しい高値を示した。皮膚生検で真皮結合織は粗で, 電子顕微鏡検査では細線維束の太さや形態の不均一が観察された。以上より, エーラス・ダンロス症候群と診断した。姑息的ながらビタミンCの経口投与を実施したが, 皮膚の脆弱性は次第に悪化した。
著者
清水 篤
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.57-61, 2017 (Released:2017-06-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

Mohsペーストは体表の切除不能な悪性腫瘍に対し,出血や排膿,悪臭などの症状のコントロールに用いられている。しかし,粘調度と粘着性が高く,患部への塗りにくさが指摘されており,Mohsペーストをガーゼに塗布し貼付することで患部への塗りやすさを改善したMohsガーゼ法が考案されてきた。今回我々は,自壊した犬の乳腺腫瘍に対しMohsガーゼ法を用い腫瘍の大幅な減容積を行った。本手法が動物でも塗りにくさの問題を改善するだけでなく,様々な形の腫瘍に対し応用可能であることが示唆された。
著者
清水 篤 中島 博之 長田 裕明 長澤 淳 京極 方久
出版者
The Japanese Society for Cardiovascular Surgery
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.77-80, 2011

症例は73歳,男性.遠位弓部大動脈の最大径66 mmの嚢状瘤に対し全弓部置換術を施行した.胸骨正中切開,上行大動脈送血と上下大静脈脱血で人工心肺を確立し,中等度低体温循環停止,選択的順行性脳灌流を行いエレファントトランク,ステップワイズ法にて遠位側吻合を行った.その後頸部3分枝再建を先行し,最後に中枢側吻合を行った.手術時間515分,人工心肺時間305分,大動脈遮断時間213分,脳分離灌流時間143分,下半身循環停止時間97分であった.術後5日目に発熱と右側腹部痛,炎症反応上昇を生じ,翌日になっても症状は改善せず,CTで急性胆嚢炎および急性腹膜炎と診断し,術後6日目に緊急開腹胆嚢摘出術を施行した.胆嚢周囲に漏出した胆汁性腹水が存在したが,培養結果は陰性であった.病理所見は,胆嚢頸部に虚血による非細菌性非貫璧性の胆嚢壊死が存在するとの結果であった.胆嚢摘出術術後は経過良好であり,初回手術から16日目に独歩退院となった.全弓部置換術後は下半身循環停止やdebrisの飛散など消化管虚血のリスクは高く,術後の急性腹症の鑑別診断として稀ではあるが重篤化することもある胆嚢梗塞を考慮する必要があると考えた.
著者
石河 晃 舩越 建 石井 健 大内 健嗣 清水 篤
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

落葉状天疱瘡は全身の皮膚に水疱、びらんをきたす自己免疫疾患であるが、自己抗体が抗原に結合してから水疱発生までの機序は明らかではない。本研究では正常ヒト皮膚器官培養にクローン化した抗体を局所注射し、経時的に超微細組織変化を観察した。病原性抗体注射後2時間後にはデスモソームの減少が見られ、22時間後にはデスモソームの消失と細胞離開が見られた。デスモソームの数が減少することによる細胞離開の経路が存在することが推察された。