著者
花房 竜馬 荒木 健治
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.683-692, 2023-08-15 (Released:2023-08-16)
参考文献数
14

現在,スマートフォンやスマートスピーカーの普及によって人と対話エージェントとの対話は日常的に行われている.しかし,これらのデバイスに搭載されている対話エージェントは雑談システムとしての能力が不十分であり,人同士の対話と同等の面白さを感じることはできない.この問題を解決するためには,対話中の文脈情報を考慮した高度なユーモア処理を実現する必要がある.これまでの研究において,対話中の文脈情報を含むユーモアの面白さや文脈情報が面白さに与える影響については明らかにされていない.本論文では対話文脈を考慮した駄洒落の面白さを評価する標準データベースを構築するために,駄洒落を含む対話を収集し,12,000件の駄洒落が含まれる対話に対して対話の面白さを複数人で評価した.それに加えて,対話文脈による駄洒落の面白さの変化について分析を行った.
著者
花房 竜馬 荒木 健治
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.860-871, 2021-11-15 (Released:2021-11-15)
参考文献数
13

近年,精神疾患患者の増加に伴い,精神治療におけるカウンセリングの需要が急増している.しかし,精神治療への抵抗感や費用の高さから治療を受けられず,疾患の悪化により自ら命を絶つケースも少なくない.現時点では,心理療法士と同等の精神治療を代行できる対話システムは存在しない.本論文では,心理療法における問題の認識を自動的に行うために,相談者の発話から悩み文,心情文を自動抽出する手法を考案した.その手法を基に,ルールベースによる抽出システム,類似性による抽出システム,分類器による抽出システムを開発した.各抽出システムにより性能評価実験を行った結果,分類器による抽出システムがF値0.73と最も良い性能を示し,提案手法の有効性が示された.