著者
渡辺 嘉二郎 芹沢 一雅
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.208-215, 1994-02-28 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10
被引用文献数
2 4

People sometimes recognize a system which is of a high grade by both the feel and/or sound of it's keyboard switches when pushed. A keyboard whose switches when pressed, have a feeling that is neither too nor too light, and which also convey a clear confirmation of switching makes a computer.We focus on the man-machine interface of the keyboard and investigate the human feelings of touch and push as the engineering matter in question in order to design switches comfortable to operate.First, the categories (words) that can quantitatively characterize the switch pushing feeling were selected. Next, the sensory tests by questionnaire using these categories were carried out to acquire sensory data that relate both the feeling and the switch's physical characteristic. Finally, the artificial neural networks to store the sensory data were trained. The pattern of the touching feeling degrees expressed by the categories is used as the input data for training the patterns given by physical characteristics of switches are used as the output data.The trained artificial neural networks have the potential to select the most preferable switch and provides the physical quantities necessary to design, just by grading each item in the switch selection sheet very similar to that used in the questionnaire.
著者
芹沢 一也
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.87-98, 2010

犯罪や貧困の処遇において,監視や排除,厳罰化など,日本でもアメリカのように抑圧的な手段が強化されているといわれる.そして,このような状況に批判的な論者は,その原因として新自由主義をあげ,それへの敵対と対抗を唱えている.だがはたして,日本に新自由主義的な統治が出現しているといえるのか?本稿は1970年代以来の日本社会の構造的な変容を踏まえながら,90年代以降に起こったのは,新自由主義への統治原理の転換ではなく,日本型安定社会のたんなる崩壊だということを示す.その上で,そうした文脈にある日本の貧困や犯罪処遇の変容について,新自由主義批判を展開することは的外れであるだけでなく,看過しえない危険性をともなうことを主張する.問題は安定社会に代わる社会構想の不在なのであって,今後,社会保障や社会復帰政策を構想する上で不可欠なのは,経済的リソースの配分をめぐって国家と市場との関係性を冷静に思考することである.そのためには,小泉構造改革の誤った総括によって根づいた市場不信と,自民党の利益政治批判によって広まった政治不信をともに払拭する必要がある.
著者
芹沢 一也
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.87-98, 2010-10-01 (Released:2017-03-30)

犯罪や貧困の処遇において,監視や排除,厳罰化など,日本でもアメリカのように抑圧的な手段が強化されているといわれる.そして,このような状況に批判的な論者は,その原因として新自由主義をあげ,それへの敵対と対抗を唱えている.だがはたして,日本に新自由主義的な統治が出現しているといえるのか?本稿は1970年代以来の日本社会の構造的な変容を踏まえながら,90年代以降に起こったのは,新自由主義への統治原理の転換ではなく,日本型安定社会のたんなる崩壊だということを示す.その上で,そうした文脈にある日本の貧困や犯罪処遇の変容について,新自由主義批判を展開することは的外れであるだけでなく,看過しえない危険性をともなうことを主張する.問題は安定社会に代わる社会構想の不在なのであって,今後,社会保障や社会復帰政策を構想する上で不可欠なのは,経済的リソースの配分をめぐって国家と市場との関係性を冷静に思考することである.そのためには,小泉構造改革の誤った総括によって根づいた市場不信と,自民党の利益政治批判によって広まった政治不信をともに払拭する必要がある.
著者
畑崎恵介 中村 哲人 芹沢 一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.80, pp.33-39, 2003-08-04
参考文献数
7
被引用文献数
1

急速に利用が拡大しているオープンソースソフトウェアの代表的なOSであるLinuxは、24時間365日稼動を要求する企業システムの運用サポートに必要なデバッグ機能に大きな課題を残している。本稿では、上記企業システムのデバッグ機能として、カーネルクラッシュダンプ機能とトレース機能を連携するデバッグ方法を提案する。さらに、トレース機能として、システムのサービスレベルの低下を最小限に抑え、かつリブートレスなトレース機能の拡張が可能なLKST(Linux Kernel State Tracer)について述べる。また、その有効性を確認するため、実例と定量的評価によって検証する。Linux is a popular open source operating system which has been used in many enterprise systems. However, it does not have enough debugging functionality to support 24x7 enterprise systems. In this paper, we propose a debugging method consisting of a cooperating kernel crash dump function and a kernel tracing function. In addition, as the tracing function, we describe LKST (Linux Kernel State Tracer), which achieves minimum tracing overhead and allows rebootless extension of trace functions. Also, we evaluate it through experiments.