著者
黒沢 高秀 芹沢 俊介 大橋 広好
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.11-17, 1996-07-10

フジタイゲキEuphorbia watanabei Makinoは牧野富太郎によって富士山麓産の標本をもとに1920年に記載された植物である。フジタイゲキの分類については研究者によって見解が異なり, 独立種, タカトウダイE.lasiocaula Boiss.の変種または異名, あるいはイワタイゲキE.jolkinii Boiss.の異名として扱われている。そこで, フジタイゲキの実体を明らかにするために, 東京大学総合研究資料館, 京都大学理学研究科, 国立科学博物館および東北大学理学研究科の標本, および東北大学薬学部附属薬用植物園で栽培されている静岡県有度山原産の生品を検討した。その結果, 従来フジタイゲキはタカトウダイとは苞葉や輪生葉が黄色い点で異なることが指摘されていたが, さらに果実と種子がより大きく(Fig.1), 茎が無毛またはほとんど無毛である点でも異なることが明らかになった。また, フジタイゲキはイワタイゲキに比べて葉が細く腺体の表面のくぼみが不明瞭で山地に生える点で異なるとされていたが, さらに花期が夏であり, 果実の突起がまばら(Fig.1)である点でも異なることが判明した。このため, フジタイゲキはタカトウダイやイワタイゲキとは別種であると考えられる。フジタイゲキは静岡県の山地から低山地の草原に分布するが, 知られている自生地数が少なく, いずれの自生地も現状が不明であるため, 絶滅が危惧される。一方, 宮崎県の丘陵地に花部および果実の形態がフジタイゲキとよく似るが, 輪生葉がより長く, 種子表面にしわ状の模様がある植物が生育している。これをフジタイゲキの亜種と考え, ヒュウガタイゲキE.watanabei subsp.minamitanii T.Kurosawa, Seriz.et H.Ohashiとして記載した。

1 0 0 0 少年犯罪論

著者
芹沢俊介編著
出版者
青弓社
巻号頁・発行日
1992
著者
芹沢 俊介 Serizawa Shunsuke
出版者
植物地理・分類学会 = The Society for the Study of Phytogeography and Taxonomy
雑誌
植物地理・分類研究 = The journal of phytogeography and taxonomy (ISSN:03886212)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.29-33, 2007-10-31

Taraxacum maruyamanum is a diploid dandelion endemic to the Oki Islands, western Japan. Morita(1995)regarded this dandelion as a subspecies of T. platycarpum. Taraxacum maruyamanum, however, is characterized by elongate, lanceolate or broadly lanceolate and hardly corniculate outer bracts of involucres. These characters are remarkably distant from the geographic trends of morphological variation in T. platycarpum s. lat. Taraxacum maruyamanum, therefore, should be treated as a distinct species.
著者
芹沢 俊介
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.31-37, 2007-02-20 (Released:2017-03-25)
参考文献数
12

標準的に使われる図鑑の写真は,多くの人がそれを頼りに同定するため,影響が大きい.最近になって改めて「日本の野生植物 シダ」(平凡社)を検討したところ,相当数の写真に何らかの問題があるように思われた.そこで,利用者の注意を喚起する目的で,気にかかる写真のリストを作成し,その理由を記述した.
著者
芹沢 俊介
出版者
植物地理・分類学会
雑誌
植物地理・分類研究 (ISSN:03886212)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.21-26, 2006-10-31
著者
芹沢俊介
雑誌
植物地理 分類研究
巻号頁・発行日
vol.34, pp.55-59, 1986
被引用文献数
2