- 著者
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苫米地 伸泰
- 巻号頁・発行日
- 2019-03-25
本研究は,同一仕事率で負荷と回転数の組み合わせの異なる強度漸減・高強度・短時間・間欠的自転車運動の主観的・生理的応答及び同一仕事量で負荷と回転数の組み合わせの異なる強度漸減・高強度・短時間・間欠的自転車トレーニングが最大酸素摂取量,最大筋力及び筋パワーに及ぼす効果を検証した.結果の要約は以下の通りである.
Ⅰ) 高負荷・60 回転の強度漸減・高強度・短時間・間欠的自転車運動と比較して,低負荷・120 回転の強度漸減・高強度・短時間・間欠的自転車運動中で主観的運動強度が高くなり,呼吸循環応答,筋活動,筋疲労が有意に促進される.
Ⅱ) 負荷と回転数の組み合わせの差異に関わらず,強度漸減・高強度・短時間・間欠的自転車トレーニングは比較的短期間(3 週間)で学生アスリートの最大酸素摂取量を改善する
Ⅲ) 負荷と回転数の組み合わせの差異に関わらず,最大筋力は改善されない
Ⅳ) 負荷と回転数の差異に関わらず,強度漸減・高強度・短時間・間欠的自転車トレーニングは脚伸展パワー,伸展速度,ウィンゲートテストのピークパワー,ピーク回転数,平均パワーを改善する
Ⅴ) ウィンゲートテストのピーク到達時間は高負荷・60 回転の強度漸減・高強度・短時間・間欠的自転車トレーニングでのみ短縮される.
これらの結果から,高負荷・60 回転の強度漸減・高強度・短時間・間欠的自転車トレーニングは低負荷・120 回転の強度漸減・高強度・短時間・間欠的自転車トレーニングと比較して主観的・生理学的運動強度が低いにも関わらず,最大酸素摂取量や筋パワーに同等のトレーニング効果をもたらすことが示唆された.