2 0 0 0 OA 陶淵明と酒

著者
茂田井 円 松井 康子
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.8, pp.587-590, 1991-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9

中国六朝時代の大詩人陶淵明の酒好きは広く知られている。彼の酒に対する考え方や酒に対する愛着, 常時接していた酒について, その造り方を彼の記述と住んでいた地域の地理的条件を加味し検討した。さらに, 彼が「緑酒」と表現した, 酒の復元の第一歩として草麹の再現を試み, 草麹が再現できるまでの不安と成功したときの喜び, できた麹から醸しだされるであろう酒の香味について想像を働かせ, 陶淵明が感じたであろう味および酒に対して抱いた神秘性について記していただいた。
著者
茂田井 円
出版者
京都大学ヒマラヤ研究会・人間文化研究機構 総合地球環境学研究所「高所プロジェクト」
雑誌
ヒマラヤ学誌 (ISSN:09148620)
巻号頁・発行日
no.11, pp.258-269, 2010-05-01

雲南の日常食に欠かせない米線. 文献では6 世紀前半に北魏の賈思勰が著わした『斉明要術』にもその製法は伝えられている. 米を挽いた粉から作られる麺は, 中国南方地域で幅広く作られている. その呼び名は様々で地域によっては「米粉」という名もある. 米は主にインディカ米を使用する. 雲南では乾麺を戻したものではなく, 「発酵」させた生の米線に人気が集まっている. その雲南の米線を使った特徴的な料理の一つに「過橋米線」がある. 過橋米線は, 清代後期, 雲南中西部の都市・建水で, 中国北方料理である薄切りの羊肉を使うしゃぶしゃぶ火鍋料理(涮羊肉)をヒントに発明されたと思われる. 食卓に生ものを置いても平気な文化的バックボーンが雲南にあったことも, 各種ライス・ヌードル文化圏の中で, 雲南にこの料理が芽生えた理由となるだろう. それが滇越鉄路の開通をきっかけに, 建水・蒙自・個旧の三角地帯から昆明へと進出. 現在では中国各地, また日本へまでも「雲南・過橋米線」が広まった.

1 0 0 0 紹興見聞記

著者
茂田井 円
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.690-693, 1993

本年度は, 中国のバラ麹の酒, 中国のピール (次号) と中国に関する話題がいくつか取り上げられたが, 今回は, 日本にとって最もなじみの深い酒類の一つである紹興酒の最新の状況をご紹介いただいた。