著者
川﨑 翼 荒巻 英文 兎澤 良輔 加藤 宗規
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.569-574, 2015 (Released:2015-12-20)
参考文献数
19
被引用文献数
4

【目的】短時間の運動観察における運動学習効果およびその効果とワーキング・メモリ能力の関連性を検討することである。【方法】若年健常人31名を対象とし,運動観察する群(以下,観察群)20名と,運動観察をしない群(以下,観察なし群)11名に割りつけた。参加者は全員TMT part A(以下,TMT-A)とpart B(以下,TMT-B)の時間を測定された。観察群は,手本の鉄球回し映像を観察する前後における鉄球回しの10回転に要する時間と落下回数を測定された。観察なし群は運動観察を行わず,10回転に要する時間と落下回数を測定された。【結果】観察群は,観察なし群より鉄球回し時間の改善率が有意に高かった。観察群の鉄球回し時間の改善率は,TMT-Bの時間やΔTMT(TMT-B–TMT-A)と有意な相関を認めた。【結論】運動観察は,短時間の介入でも効果を示し,その効果にTMT-Bに示されるワーキング・メモリ能力が関与している可能性を示唆した。
著者
荒巻 英文 加藤 宗規 奥田 裕 伊藤 俊一 高栁 清美
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.171-175, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
29

〔目的〕骨格筋の反復伸張における筋肥大および筋力増強効果を,ヒトを対象として検証することとした.〔対象〕健常成人男性20名とした.〔方法〕対象筋は下腿三頭筋とした.反復伸張による等速性筋力測定装置での他動的足関節背屈運動を実施する介入群と対照群との間で,筋形状指標(腓腹筋筋厚・羽状角),下腿三頭筋の筋力,自動足関節背屈可動域を比較した.〔結果〕介入群の腓腹筋筋厚と羽状角は介入前後で有意に増大した.群間では筋力と自動足関節背屈可動域に有意差はみられなかった.〔結語〕健常成人男性の下腿三頭筋には,反復伸張による筋肥大効果があり,筋力増強には筋肥大以外の要素も関与すると考えられる.