著者
菅井 道子 堀田 龍也 和田 裕一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.125-128, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
12

高校生による教育用SNS を活用した協調的議論に対する生徒の自己評価に影響を及ぼす要因の検討を目的として,教育用SNS を活用した議論演習を2回行った.対照群として対面での議論演習を行う群を用意した.事前と事後の質問紙調査,および議論演習後の議論への自己評価に関する質問の回答を分析した.その結果,教育用SNS を活用した議論においては,グループの人数が増えるほど,生徒は根拠などの理由を伴い主張する論証のスキルが向上したと実感する傾向が示唆された.加えて,情報の判断力や表現力などの議論に関連した意識や態度の変容と,論証の出来不出来に対する生徒の自己評価が関連することが示唆された.
著者
菅井 道子 堀田 龍也 和田 裕一
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.43-56, 2018-02-20

本研究では教育用SNSを利用した協調的問題解決の特徴を検討することを目的とした.高校2年生を2つのグループに分け,124人は教育用SNS,114人は対面での協調的問題解決にそれぞれ取り組ませた.議論を円滑に遂行するためのスキルに対しての自己評価や,議論の内容,および授業成果物を検討した結果,教育用SNSを利用した議論では,発話数が対面での議論より少ないにもかかわらず,授業成果物の質は対面でのそれとほぼ同程度となり,アイデアの独創性については対面での成績よりも高くなることが示唆された.加えて,議論を遂行するために多様なスキルを使って取り組むことが示唆された.教育用SNSを利用した協調的問題解決の有効性や演習時の要件などに関して考察した.