著者
菊地 はるひ 是枝 亮
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.206_1, 2018

<p> エアロビック競技は、「芸術点」「実施点」「難度点」の3つの観点から評価をし、合計点で順位を競う採点競技である。演技は、複雑で強度の高いエアロビック動作パターン(AMP)を音楽に合わせて連続して行うことを基本とし、完璧な遂行度を持つ難度エレメントを組み込んで構成することが求められる。国際大会は、国際体操連盟(FIG)の採点規則であるCode of Points(COP)に則って行われるが、COPは4年に1回のサイクルで改訂されている。2017年から適用されているCOP 2017-2020では、演技時間、芸術点の採点方法、実施点の減点幅、難度エレメントの評価点および実施制限等の変更があった。そこで本研究は、改訂後のFIGワールドカップ大会における上位選手の演技構成、演技内容を分析し、採点規則が及ぼした影響について検討した。採点規則の改訂は、競技の特性を尊重し、正確かつ明確な評価を行うために必要となる事項を再確認して行われるものであり、競技の方向性を決めることになる。分析結果から現採点規則の問題点を見いだし、エアロビック競技が競技スポーツとして発展するために必要な内容を考察した。</p>