著者
城間 将江 菊地 義信 河野 淳 鈴木 衞 加我 君孝
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.755-764, 1998
被引用文献数
2

人工内耳装用者における音楽的要素の知覚度を調べる目的で, (1) リズム弁別, (2) 音程の弁別, (3) 楽器音の音色識別, (4) 旋律の知覚, (5) アカペラ歌唱の知覚テストを作成し施行した。 対象は成人中途失聴者16名で, 14名がNucleus 22, 2名がClarion人工内耳システムの使用者であった。 各テストの平均正答率は, リズムが90%, 音程は51.8%, 音色は25.8%であった。 旋律は11.8%と低い正答率であったが, 同旋律のアカペラ歌唱では71.4%に改善した。 なお, 語音聴取率と旋律の知覚率との相関は低く, 人工内耳機器間による差も無かった。 本研究から, 現在の人工内耳システムは強度の時間情報伝達は良好でリズムや語音の知覚には適しているが, 微細なスペクトルエンベロープの弁別が必要な楽音の知覚には不十分であることが示唆された。
著者
城間 将江 菊地 義信 河野 淳 鈴木 衞 加我 君孝
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.755-764, 1998-12-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

人工内耳装用者における音楽的要素の知覚度を調べる目的で, (1) リズム弁別, (2) 音程の弁別, (3) 楽器音の音色識別, (4) 旋律の知覚, (5) アカペラ歌唱の知覚テストを作成し施行した。 対象は成人中途失聴者16名で, 14名がNucleus 22, 2名がClarion人工内耳システムの使用者であった。 各テストの平均正答率は, リズムが90%, 音程は51.8%, 音色は25.8%であった。 旋律は11.8%と低い正答率であったが, 同旋律のアカペラ歌唱では71.4%に改善した。 なお, 語音聴取率と旋律の知覚率との相関は低く, 人工内耳機器間による差も無かった。 本研究から, 現在の人工内耳システムは強度の時間情報伝達は良好でリズムや語音の知覚には適しているが, 微細なスペクトルエンベロープの弁別が必要な楽音の知覚には不十分であることが示唆された。
著者
小池 三奈子 粕谷 英樹 菊地 義信 堀口 利之
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

韻律制御可能な電気式人工喉頭(Pitch controllable electrolarynx ; PC-EL)の訓練プログラム開発とPC-ELによる発話(PC-EL音声)の評価を行った.訓練は,平板型4モーラ単語から始め,アクセント句,イントネーション句,文と進め,ピッチ操作に慣れた段階で,抑揚型アクセントの語を訓練した.2週間の訓練で,7名中5名が自発話で訓練目標を達成した.訓練後のPC-EL音声はピッチ固定型電気喉頭(PF-EL)の音声と比較して,より肉声に近いと評価された.