著者
佐々木 重信 日馬 拓海 周 杰 村松 正吾 菊池 久和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.74, pp.25-30, 2003-05-16
被引用文献数
5

Ultra Wideband(UWB)無線伝送方式は、数百psecから数nsecという極めて時間幅の短いパルスを用い、周波数を数GHzもの帯域に拡散する新しい無線伝送技術である。 UWB伝送は近距離の高速無線データ伝送の実現に有望な技術であるが、伝送に用いられるパルス幅が極めて短いため、パルス発生器で生じるジッタが深刻な問題になる恐れがある。また、信号が極めて広帯域を占めるため、同じ周波数帯域を占有する既存の狭帯域通信の影響が避けられない。本研究では直接スペクトル拡散(DS/SS)方式を用いたUWB(DS-UWB)伝送におけるジッタと狭帯域干渉の影響について、計算機シミュレーションにより評価を行った。その結果、本来の性能を得るためには、ジッタはパルス幅に対して1〜2%以下である必要があり、また狭帯域干渉ではSIRが20dB以上必要であることがわかった。
著者
菊池 久和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13

電子回路の授業についてパネル討論をするから出てくれと言われ、小生は素人ゆえお断りすると申し上げたところ、素人の意見も聞きたいのだと切り返され、まんまと罠にかかった次第である。必ずしも電子回路を専門としない先生でもしっかりと授業をされているであろうが、本稿ではへたな素人が電子回路の授業をするとこんな程度にしかできないという一例を記し、話題提供の一助としたい。
著者
佐々木 重信 菊池 久和 朱 近康 丸林 元
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.655-664, 1994-11-25
被引用文献数
5

本論文では,筆者らがこれまで検討してきた並列組合せSS通信方式の一方式として,差動並列組合せSS(DPC/SS)通信方式を提案する.並列組合せSS方式は,複数のデータビットを+,-の状態をもつ拡散系列の組合せに変換して送信することで周波数利用効率を高めたSS方式である.本論文で提案する方式は,送信する系列にかかる+,-の状態データに送信側で差動符号化を施し,受信側で<は拡散系列の組合せを包路線検波により復調し,また+,-の状態データを遅延検波を用いて復調する.このため,受信側で搬送波の位相を再生する必要がなく,伝送路における位相変動が激しい移動体通信に有効と考えられる.本論文では,DPC/SS通信方式の基本的な性能として,白色ガウス雑音のみの伝送路,レイリーフェージング伝送路における誤り率特性,またレイリーフェージング伝送路においてダイバーシチを適用した場合の効果を明らかにした.その結果,本方式を従来のDPSKやBPSK方式と同等のデータ伝送速度で加法性白色ガウス雑音伝送路に適用した場合,ビット誤り率10^<-8>における情報ビット当りの所要SN比を,DPSKやBPSK方式に比べて,1dB以上削減できることが明らかになった.またレイリーフェージング伝送路において受信側にダイバーシチを適用した場合,ブランチ数の増加に伴うビット誤り率の改善効果が従来のDPSKによる直接拡散SS方式に比べて大きいことが明らかになった.