- 著者
-
村松 正吾
- 出版者
- 一般社団法人 日本画像学会
- 雑誌
- 日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.4, pp.290-300, 2014-08-10 (Released:2014-08-13)
- 参考文献数
- 49
本稿では,画像のスパース表現のための冗長変換について概説する.スパース表現とは,与えられた信号を少ない数のベクトル,数列,或いは関数の線形結合により表現することを意味する.この表現は,信号モデリングに利用され,信号推定や復元,特徴抽出など多くの応用で有効性が確認されている.より良いスパース表現を得るためには,適切な信号変換の選択が必要不可欠である.本稿ではまず,スパース表現に有効な信号変換の性質として冗長性を取り上げる.次に,スパース表現の問題設定とその解法について解説する.さらに,冗長変換を利用した画像復元の応用例を示す.また,画像処理に適した変換の性質を整理し,冗長変換の設計法として辞書学習法を紹介する.最後に,関連する研究動向をまとめる.