著者
村松 正吾
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.290-300, 2014-08-10 (Released:2014-08-13)
参考文献数
49

本稿では,画像のスパース表現のための冗長変換について概説する.スパース表現とは,与えられた信号を少ない数のベクトル,数列,或いは関数の線形結合により表現することを意味する.この表現は,信号モデリングに利用され,信号推定や復元,特徴抽出など多くの応用で有効性が確認されている.より良いスパース表現を得るためには,適切な信号変換の選択が必要不可欠である.本稿ではまず,スパース表現に有効な信号変換の性質として冗長性を取り上げる.次に,スパース表現の問題設定とその解法について解説する.さらに,冗長変換を利用した画像復元の応用例を示す.また,画像処理に適した変換の性質を整理し,冗長変換の設計法として辞書学習法を紹介する.最後に,関連する研究動向をまとめる.
著者
佐々木 重信 日馬 拓海 周 杰 村松 正吾 菊池 久和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.74, pp.25-30, 2003-05-16
被引用文献数
5

Ultra Wideband(UWB)無線伝送方式は、数百psecから数nsecという極めて時間幅の短いパルスを用い、周波数を数GHzもの帯域に拡散する新しい無線伝送技術である。 UWB伝送は近距離の高速無線データ伝送の実現に有望な技術であるが、伝送に用いられるパルス幅が極めて短いため、パルス発生器で生じるジッタが深刻な問題になる恐れがある。また、信号が極めて広帯域を占めるため、同じ周波数帯域を占有する既存の狭帯域通信の影響が避けられない。本研究では直接スペクトル拡散(DS/SS)方式を用いたUWB(DS-UWB)伝送におけるジッタと狭帯域干渉の影響について、計算機シミュレーションにより評価を行った。その結果、本来の性能を得るためには、ジッタはパルス幅に対して1〜2%以下である必要があり、また狭帯域干渉ではSIRが20dB以上必要であることがわかった。
著者
坂本 憲司 村松 正吾 貴家 仁志 山田 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.108, pp.9-14, 1999-06-11

新たな動画像符号化規格であるMPEG4では,従来のMPEG1,2のマクロブロック(16×16画素)単位の動き補償(MC)に加えて8×8画素単位の動き補償モード,8×8ブロックモードが用意されている.そこで,本報告では,従来型のPEの内部構成を改良することにより,この8×8ブロックモードを含む動き検出器(ME)の新たな線形アレー構成を提案する。本提案は処理要素(PE)と比較器のみを改良し,入力は従来型と全く同じである.PEの内部構成に従来型の構成にマルチプレクサ,アキュムレータを加えることにより,MPEG4で必要とされる8×8ブロックモードでの差分絶対値和(SAD)の選択,アキュムレートを可能にしている.また,8×8ブロックモードのSAD出力タイミングは,16×16ブロックモードと異なるため,8×8ブロックモードのための2種類の比較器を提案する。さらに,提案するPEのVHDLモデルの論理合成結果より,VLSI実現への性能の見積もりを行う.