著者
日本応用地質学会平成20年岩手・宮城内陸地震調査団 橋本 修一 千木良 雅弘 中筋 章人 日外 勝仁 亀谷 裕志 野崎 保 森 一司 高見 智之 菖蒲 幸男 小林 俊樹 山本 佑介
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.98-108, 2009-06-10
参考文献数
11
被引用文献数
6 5

平成20年6月14日朝,岩手県内陸南部を震源としてM7.2の地震が発生した.震源域の山地では,地中で1G超の加速度,地表で2mを超える隆起など大きな地盤変動が観測され,巨大な斜面崩壊や多くの河道閉塞が発生するなど,大小さまざまな規模の地盤災害が多発した.これらの地盤災害を理解するには,地質,地質構造および岩盤特性を正しく把握する必要があるものと考えられた.日本応用地質学会は災害実態を把握するために災害調査団を組織し,9月中旬に第一次現地調査を行い,その概要を平成20年度研究発表会(10月31日横浜)および学会誌(Vol.49,No.6)で速報し,その内容は同学会ホームページに公開している.本報告は,上記現地調査結果を中心にして,調査地区の特徴的な斜面災害状況を記載し,その発生の過程・メカニズムについて現段階までの知見を加えて考察したものである.