著者
尾之上 さくら 橋本 修一 今井 敏夫 丹羽 源男
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.570-585, 1999-12-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
41
被引用文献数
2

アルカリ性ホスファターゼ (ALP) は, 細胞表面のグリコシルホスファチジルイノシトール (GPI) アンカー型タンパク質の一つであり, 骨芽細胞の石灰化と密接に関わっている。本研究では骨芽細胞様細胞株MC3 T3-E1のALP活性量におよぼす培養環境の影響を明らかにするため, この細胞をさまざまな播種密度と継代頻度で培養した。MC3T3-E1細胞を6, 500cells/cmcm2の播種密度で週1回継代培養すると, 130日以上たってもこの細胞 (W1/HD) は高いALP活性と石灰化能を保持していた。しかし1, 300cells/cmcm2の播種密度で, 週2回継代培養すると, この細胞 (W2/LD, W2/HD-LD) は培養50日以内にもとの細胞のもつALP活性と石灰化能のいずれも90%以上を失ってしまっていた。これら形質変化した細胞を130日間培養すると, ALP活性とコンフルエント時の敷石状形態を失ったW2/LDやW2/HD-LD細胞の細胞集団倍加時間とタンパク質生成能はいずれもW1/HD細胞の場合に比べてそれぞれ有意に短くまた低くなった。一方, W2/LDとW2/HD-LD細胞ではもう一つのGPI-アンカー型タンパク質である5'-ヌクレオチダーゼの活性もALP活性の場合と同様にW1/HD細胞の酵素活性の1/10以下にまで減少していた。しかしW2/LDやW2/HD-LD細胞の酸性ホスファターゼとβ-グルクロニダーゼ活性はW1/HD細胞に比べ逆に有意に増加していた。培養環境により誘導されるこれら細胞の形質変化は, 培養した培地中の生物学的因子や電離放射線の照射に起因するものではなかった。これらの結果から, MC3T3-E1細胞は高頻度・低密度の播種による継代培養を行うと, MC3T3-E1細胞の骨芽細胞様の特性からGPI-アンカー型酵素活性と石灰化能が特異的に失われることが示唆された。
著者
日本応用地質学会平成20年岩手・宮城内陸地震調査団 橋本 修一 千木良 雅弘 中筋 章人 日外 勝仁 亀谷 裕志 野崎 保 森 一司 高見 智之 菖蒲 幸男 小林 俊樹 山本 佑介
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.98-108, 2009-06-10
参考文献数
11
被引用文献数
6 5

平成20年6月14日朝,岩手県内陸南部を震源としてM7.2の地震が発生した.震源域の山地では,地中で1G超の加速度,地表で2mを超える隆起など大きな地盤変動が観測され,巨大な斜面崩壊や多くの河道閉塞が発生するなど,大小さまざまな規模の地盤災害が多発した.これらの地盤災害を理解するには,地質,地質構造および岩盤特性を正しく把握する必要があるものと考えられた.日本応用地質学会は災害実態を把握するために災害調査団を組織し,9月中旬に第一次現地調査を行い,その概要を平成20年度研究発表会(10月31日横浜)および学会誌(Vol.49,No.6)で速報し,その内容は同学会ホームページに公開している.本報告は,上記現地調査結果を中心にして,調査地区の特徴的な斜面災害状況を記載し,その発生の過程・メカニズムについて現段階までの知見を加えて考察したものである.
著者
倉治 竜太郎 橋本 修一 伊藤 弘 沼部 幸博
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.148-154, 2016-09-30 (Released:2016-11-03)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

歯周病学をはじめ口腔内の研究では,齧歯類を対象として実験を行うことが多い。こうした動物の口腔内に種々の処置を行う場合は,開口状態の保持や視野確保が実験手技を安定させる上で極めて重要な要素となる。しかし,マウスの開口を保持する専用器具は提案されていない。そこで我々は,既存のラット開口器を応用し,幅広い週齢のマウスに適合する規格化された開口器の作製を目的として,開発を行った。本考案は,1.5 mmステンレス線を用いた長方形の切歯係止フレームと,フレーム内側に対向して取り付けた左右口角鈎,フレーム基端部に取り付けた開口調節体から構成される開口器である。各週齢マウスへの本器の適合性を評価するため,4週齢,6週齢,10週齢BALB/cマウスを対象に,本器各部による開口保持状態を観察した。本器の開口調節体により,体重の異なる全週齢マウスの開口を安定して保持することができ,口腔内観察を良好に実施できた。また本器装着時の口腔内実験への応用例として,口蓋歯肉への薬液注射,および上顎臼歯への絹糸結紮による実験的歯周炎作成を行い,本器を用いた場合の処置時の視野確保と器具の到達性などを検討した。本器を用いた開口保持により,各種器具を挿入した口腔内実験を良好に実施できた。なお,総ステンレス製の本器は,オートクレーブ,乾熱滅菌も可能となっている。本器は実用新案登録済みである(公開番号2014-004789)。