著者
和泉 公比古 荻原 充信 亀谷 裕志
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土と基礎 (ISSN:00413798)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.5-8, 1996-11-01
被引用文献数
1
著者
日本応用地質学会平成20年岩手・宮城内陸地震調査団 橋本 修一 千木良 雅弘 中筋 章人 日外 勝仁 亀谷 裕志 野崎 保 森 一司 高見 智之 菖蒲 幸男 小林 俊樹 山本 佑介
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.98-108, 2009-06-10
参考文献数
11
被引用文献数
6 5

平成20年6月14日朝,岩手県内陸南部を震源としてM7.2の地震が発生した.震源域の山地では,地中で1G超の加速度,地表で2mを超える隆起など大きな地盤変動が観測され,巨大な斜面崩壊や多くの河道閉塞が発生するなど,大小さまざまな規模の地盤災害が多発した.これらの地盤災害を理解するには,地質,地質構造および岩盤特性を正しく把握する必要があるものと考えられた.日本応用地質学会は災害実態を把握するために災害調査団を組織し,9月中旬に第一次現地調査を行い,その概要を平成20年度研究発表会(10月31日横浜)および学会誌(Vol.49,No.6)で速報し,その内容は同学会ホームページに公開している.本報告は,上記現地調査結果を中心にして,調査地区の特徴的な斜面災害状況を記載し,その発生の過程・メカニズムについて現段階までの知見を加えて考察したものである.
著者
亀谷 裕志 金井 哲男 Jianliang DENG 堤 千花 古関 潤一
出版者
一般社団法人 日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.19-30, 2010 (Released:2013-03-31)
参考文献数
14
被引用文献数
4 2

2004年新潟県中越地震で斜面崩壊が生じた2地点において, すべり面の力学特性の評価に重点をおいた調査を行い, その結果に基づき崩壊メカニズムについて考察した. いずれの崩壊地点も地層傾斜15~20°程度の流れ盤の緩い斜面であり, 平滑に近い層理面に沿って弱面が発達していた. 弱面を含む不攪乱試料を用いた室内試験では35~40°の内部摩擦角が得られ, 粘着力は不飽和状態では10kPa程度で飽和状態では0kPaであった. これらの強度に基づく安定解析によれば, 常時の水位変動に対して斜面は十分に安定であったこと, 地震前の降雨による飽和化が崩壊に寄与したことがわかった. 一方, 斜面が長距離移動したという崩壊の形態を考えると地震動によって弱面の強度が低下したことが想定された. 室内で実施した単純せん断試験によれば載荷方向の反転を伴う繰り返し荷重を与えることにより弱面の強度が低下することが確認された. したがって, 崩壊の原因のひとつとして地震による繰り返し荷重が緩い斜面に作用することにより荷重の方向が反転し, その影響により弱面の強度が低下したことが考えられる.
著者
亀谷 裕志 デン ジャンリン 堤 千花 古関 潤一
出版者
東京大学
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.7-10, 2008-03
被引用文献数
2

2004年新潟県中越地震で小千谷市横渡地区に生じた斜面崩壊は風化した凝灰質砂岩の薄層をすべり面とするものであった.このような斜面崩壊が地震時に生じた要因を検討するため, 地質状況の観察や不攪乱試料による室内試験, 安定解析などを実施した.解析結果から常時には地下水位が変動しても斜面はすべらないこと, 地震時には実際の被災条件であった事前の降雨が安定性に影響することが確認された.また崩壊発生要因としては, 地震動が斜面に与えた交番荷重の影響が大きかったことが推測される.[本要旨はPDFには含まれない]