著者
竹田 仰 蒲原 新一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.489-497, 1996-02-25
参考文献数
15
被引用文献数
12

力覚提示機能をもつ人工現実感技術の応用として, 仮想人物と腕相撲の対戦が行えるシステムを構築した. 対戦のための力覚ディスプレイには, 空気圧式のゴム人工筋を使用し, ヒトの筋力の強さと動きによく桔抗して応答できる機構設計を行った. また, 仮想人物との対戦をいかに人間同士の対戦のように見せるかということのために, 単に勝ち負けの2値的な評価手法ではなく, 知識が対戦ごとに獲得されていく分類システムと遺伝的アルゴリズムの手法を使用した. 従来, これらの手法は計算機内での生物の成長や行動の様子のシミュレーションとして使うことが一般的であった. しかし本論文では, 実際のヒ卜の腕相撲対戦中の刻々と変化する上肢の角速度や位置情報を計算機内に取り込み, それをもとに出力コードを選択して力覚ディスプレイに出力し, 対戦者の上肢の行動反応を再び入力するという外界とのインタラクティブな機能をもつ方式に応用展開している. このことにより, 対戦中にリアルタイムに戦略を学習しながら成長する腕相撲対戦システムを実現できている. また, 対戦中に仮想人物の顔の表情を変化させるなど臨場感の演出も試みている.
著者
大場 和彦 蒲原 新一 繁宮 悠介 市瀬 実里 中道 隆広
出版者
長崎総合科学大学附属図書館運営委員会
雑誌
長崎総合科学大学紀要 = Bulletin of the Nagasaki Institute of Applied Science (ISSN:24239976)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.100-109, 2018-01-29

Methodologies of science education have changed with the changing times. Although information-oriented society tends to make students away from science, the scientific knowledge and thinking method equipped in secondary education are useful in following daily life and career. We examined whether the curriculum of the Life Environment Engineering Course in Nagasaki Institute of Applied Science can cover many contents of science in secondary education and whether the curriculum is beneficial for teacher training. Our curriculum consists of five disciplines: agricultural meteorology, environmental analytical chemistry, energy conservation technology, biotechnology, and ecology. Their integrated education enables students to learn many contents of high-school science and also interaction among four subjects: physics, chemistry, biology, and geology. Science teachers trained in this curriculum however would have difficulty when teaching existing disciplinary science, but they would exert their conception of nature in the secondary educational subject “the period of integrated study” where interdisciplinary and inquiry learning are encouraged.
著者
蒲原 新一 竹田 仰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-03-11

計算機能力の大幅な向上により人工現実感の技術が大幅に進歩した.近年は,この計算機能力の向上に加えてインターネットに代表されるような通信技術が発達し,これにより情報化社会が形成されようとしている人工現実感の技術はリハビリなどに応用されようとしているが,各家庭がネットワークに接続されるようになると在宅医療への応用も考えられるようになる.矢野らはネットワーク上の分散型仮想環境での協調作業システムの構築などを行っている.我々はこれまでに仮想環境における腕相撲対戦システムを構築しており,これをネットワーク化することを検討している.