著者
蒲池 一将 新庄 尚史 塚本 祐司 立澤 知子
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.67-72, 2019 (Released:2019-03-10)
参考文献数
15

メタノール含有排水の処理にUASBを適用した場合, メタノールを利用できる微生物は限られているため, グラニュール汚泥の安定的な維持形成に課題があった。本研究では, UASBの後段に汚泥回収槽を備えた処理方法で, メタノールを含有する実排水を用いた連続運転を行い, 種グラニュール汚泥からの馴致過程における菌叢ならびに汚泥粒径の変化を確認した。馴致過程において, グラニュール汚泥中のメタン生成古細菌のうちMethanosarcinaおよび Methanomethylovoransの占める割合が80%を超えると, グラニュール汚泥の微細化が進行し, 0.5 mm未満の粒径となった。微細化した汚泥でも汚泥回収槽による固液分離により安定に維持でき, 安定した処理性能を確認した。
著者
津野 洋 河村 正純 西村 文武 日高 平 本間 康弘 蒲池 一将 渡部 紀一
出版者
Society of Environmental Conservation Engineering
雑誌
環境技術 = Environmental conservation engineering (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.227-234, 2012-04-20
参考文献数
16

溶解性の重クロム酸COD(以下CODと記す)濃度が1000~1500㎎/LおよびSS濃度が300㎎/Lとなるように糖質系高濃度食品工場廃水と人工的合成生ごみにより調整した調整食品廃水,ならびに実際の製あん食品工場廃水の処理に対し,生物活性炭嫌気性反応装置を適用し安定的および効率的な処理の可能性とその操作因子について検討した.調整食品廃水および製あん食品工場廃水に対し,COD流動床容積負荷が各々0.5~33㎏/(m<sup>3</sup>・日)および1.6~29㎏/(m<sup>3</sup>・日)の条件下で,平均全COD除去率は各々86%および89%であった.調整食品廃水に対して,平均溶解性COD除去速度を基にした固形性COD変換率は平均0.12㎏COD/㎏COD-除去量であり,流入固形性CODの95%が可溶化することがわかった.