著者
中島 義和 山田 和雄 甲村 英二 藤中 俊之 吉峰 俊樹
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.443-447, 2004 (Released:2007-06-12)
参考文献数
16

We present 2 cases of arteriovenous malformation (AVM) in children that recurred 5 and 16 years, respectively, after initial total extirpation confirmed by cerebral angiography. In the first case, a parasplenial AVM that presented initially as a hemorrhage in a 5-year-old patient was completely resolved. Sixteen years later, it reappeared posterior to its initial location in the nidus and then ruptured. The second case also presented initially with AVM-related hemorrhage. Five years following extirpation of the diffuse paracallosal AVM in the right frontal lobe, the defect reappeared surrounding the location of the initial lesion and continued to grow. These cases demonstrate that even in cases where cerebral angiography and operative findings confirm total extirpation of an AVM, the AVM may recur after 10 years or longer. Thus, long-term follow-up is recommended in such cases, especially for children.
著者
黒田 淳子 藤中 俊之 中村 元 西田 武生 梶川 隆一郎 芝野 克彦 吉峰 俊樹
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
雑誌
Journal of Neuroendovascular Therapy (ISSN:18824072)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.106-111, 2011 (Released:2012-01-05)
参考文献数
16
被引用文献数
1

【目的】bare platinum coilを用いた脳動脈瘤塞栓術(BC群)とbioacitive coilを用いた脳動脈瘤塞栓術(BAC群)の治療成績を比較し,bioactive coilの安全性および再開通予防効果について検討した.【方法】当院にて2007年1月~2009年12月までに動脈瘤瘤内塞栓術を行い,術後1年以内にfollow upの血管造影検査を行った破裂/未破裂脳動脈瘤を対象とし,治療直後およびfollow upでの塞栓状況,動脈瘤頚部での内皮新生を示唆するwhite collar signの有無,術後MRI DWIでの微小脳梗塞の有無について比較検討を行った.【結果】follow upの血管造影検査施行時に,治療直後と比べ塞栓状況が改善されたものはBC群で9.38%,BAC群で15.8%であり,有意差は認められないものの(p=0.58),BAC群で多い傾向にあった.また,動脈瘤ネック部分の内膜新生を示唆すると考えられているwhite collar signの有無に関しては,BC群の6.3%,BAC群の26.3%にみられ,有意差は認められないもののBAC群で多い傾向にあった(p=0.13).しかし,術後の微小梗塞はBA群よりも多い傾向にあり,血栓性合併症に対しては十分な注意が必要である.〈第26回日本脳神経血管内治療学会学術総会優秀演題推薦論文〉
著者
中島 義和 山田 和雄 甲村 英二 藤中 俊之 吉峰 俊樹
出版者
日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.443-447, 2004-11-30

AVMに対する治療として安全に施行されれば外科的全摘出が現在最も確実なものと考えられる.AVMの全摘出の確認には脳血管造影検査がgold standardと考えられるが,術後脳血管造影検査にて全摘出を確認したにもかかわらず再発する例が存在することが報告されている.今回私どもは,開頭摘出術後の脳血管造影検査にて全摘出が確認された小児AVM例で,その後の経過中にAVMが再発した2例を経験した.このような症例への対応,問題点について文献的考察を加え報告する.<症例1> 男児.初発時年齢5歳.昭和62年3月,頭痛発作が出現.翌日も頭痛継続するため近医を受診したところ,左後頭葉に脳室内出血を伴うAVMが指摘された(Fig. 1).脳血管造影検査で左後大脳動脈分枝をmain feederとするparasplenial AVMが認められた.左内頸動脈後交通動脈分枝部に,4mm大の嚢状動脈瘤も認めた.同年4月同AVMに対し摘出術施行するも全摘には至らず,当科にて同年5月残存AVMの全摘出術を施行した.すなわち,feederである後大脳動脈分枝とchoroidal arteryを確認,凝固しAVMを周囲から剥離すると,脳室壁を走っていたdraining veinが変色したので,この時点でdraining veinを凝固切断し,AVMを全摘出した.