著者
馬養 浩一 伊藤 浩 藤井 亮介 鈴木 光義 浅井 光太郎 村上 篤道
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.606-613, 2005
被引用文献数
1

動画像用電子透かし検出のための,新しい同期回復方法を提案する.従来の静止画を対象にした同期回復手法では,同期回復に要する計算量の問題などがあり,これらの手法をそのまま動画の同期回復に適用できない.そこで,本稿では動画像の時間方向の特徴を利用した同期回復によりこれらの問題を解決した.提案手法では,電子透かし信号を時間方向にスペクトラム拡散して動画像の各フレームに埋め込む.同期の回復では,まず,動画像を逆拡散してフレーム積分データを生成し,データの分散を利用して時間同期を回復する.このとき電子透かし信号がデータ上に幾何学パターンとして現れるので,次に幾何学パターンの規則性に基づいた効率的な相関計算により空間同期を回復する.違法コピー形態を想定した実験を行い,HD-SD ダウンコンバート後にアナログVTRコピーを実施した映像においても,同期回復後に電子透かしを正しく検出できることを確認した.
著者
宮地 諒 藤井 亮介 西 祐生
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0565, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】しゃがみ動作は日常生活や理学療法で頻回に行われ,股関節運動との関連が深い。中でも股関節屈曲運動の主動作筋である腸腰筋は骨盤の前後傾の肢位により活動が変化することが知られている。しゃがみ動作における下肢筋の活動を分析した報告は散見されるにも関わらず,腸腰筋の活動を測定したものはみられない。近年,超音波画像診断装置(以下,US)を使用し鼠径部で測定した腸腰筋厚と磁気共鳴画像診断装置で測定した筋横断面積に差がないことや,USで測定した腸腰筋厚と股関節屈曲筋力とが関連するといった報告があり,USが腸腰筋の活動を評価する方法として有用であるとされている。そこで本研究はUSによってしゃがみ動作での骨盤前後傾による腸腰筋厚への影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は下肢や脊柱に関節障害などの既往がなく,日常生活に影響する疼痛がない健常成人男性9名(28.6±5.0歳)とした。課題動作は立位から膝関節屈曲60°までのしゃがみ動作とした。しゃがみ動作は骨盤前傾位と後傾位の両肢位で行った。骨盤前傾位と後傾位は被験者の最大努力下での骨盤前傾位及び後傾位とした。腸腰筋の筋厚の測定にはUS(LOGIQ e,GEヘルスケアジャパン社製)を使用した。測定するプローブ位置を一定にするために鼡径部中央にあらかじめマーキングを施行し,その上にプローブを接触して測定した。測定はBモードにて実施し,プローブはリニアプローブ(10MHz)を使用した。取得したUSの画像から画像解析プログラムImage Jによって腸腰筋厚を計測した。統計処理はWilcoxonの符号順位和検定を行った。【結果】しゃがみ動作終了時の腸腰筋厚は骨盤前傾位と後傾位のどちらも開始時よりも有意に増加した(P<0.01)。また,骨盤前傾位でのしゃがみ動作における腸腰筋厚は,開始時と終了時ともに後傾位よりも有意に高値を示した(P<0.01)。さらに骨盤前傾位でのしゃがみ動作では,開始時と終了時の腸腰筋厚の変化率が骨盤後傾位でのしゃがみ動作と比較して有意に大きかった(P<0.01)。【結論】骨盤前傾位と後傾位のどちらにおいてもしゃがみ動作により腸腰筋厚が増加し,その変化は骨盤前傾位で行う方が後傾位よりも大きい。そのため,骨盤前傾位でのしゃがみ動作は後傾位で行うよりも腸腰筋の活動が増加し,より効率的な腸腰筋のエクササイズと成り得ることが示唆された。
著者
森 健太郎 松村 純 藤井 亮介 清水 砂希 宮地 諒 西 祐生 中野 希亮 米倉 佐恵 出口 美由樹 荒木 茂
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】我々は石川県で活動しているスポーツ選手を対象に身体機能チェック,セルフエクササイズの指導を平成25年4月より行っている。今年度からはGrayCookが考案したFunctional Movement Screen(以下FMS)を用い,評価した。FMSとは7つの動作パターンをスクリーニングすることにより,動きの制限や非対称性を特定し,ランク付けが可能となるもので,トレーニングを行う選手の障害リスクを予測するための指標となると提唱している。今回そのFMSで得られた結果について報告する。【方法】対象は,石川県で活動している実業団や高校部活動などの現役選手74名(平均19.5±6.5歳。男性47名,女性27名)であった。競技種目別人数はレスリング14名,ハンドボール11名,卓球7名,アルペンスキー7名,テニス6名,ソフトテニス6名,自転車競技6名,ソフトボール5名,フットサル3名,人力飛行機2名,その他水泳,バスケットボール,バレーボール,スキージャンプ,ダンス,マラソン,バドミントンが1名ずつであった。選手の運動パターンの質を評価するためFMSを実施した。FMSは選手に7つの動作をしてもらい,それぞれ0から3点で点数化する。採点基準として3点はFMSのテスト基準に沿った正しい動作パターンを行うことができる場合。2点は動作パターンを行うことができるが,代償や誤ったフォーム,アライメント不良が認められる場合。1点は動作パターンが不完全でFMSの基準に沿った動作ができない場合。ただし痛みがある場合はすべて0点となる。Gray Cookは不良なパターンがみられる1点以下の被験者は障害のリスクが高い可能性があると述べており,今回は3点と2点をリスク無し群,1点と0点をリスクあり群とした。7つの動作は,基礎的な動作パターンとして主に可動性を評価するショルダーモビリティリーチング,アクティブストレートレッグレイズの2種目,主に安定性を評価するトランクスタビリティプッシュアップ,ロータリースタビリティの2種目の計4種目を挙げており,さらに応用的動作パターンとしてディープスクワット,ハードルステップ,インラインランジの3種目を挙げている。【結果】結果①:7つの動作テストを通してリスクあり群は63名(85.1%)であり,そのうち痛みがあった選手は22名(29.7%)であった。結果②:7つの動作テストの内訳をみると,リスクあり群が最も多かったテストは,トランクスタビリティプッシュアップで40.5%。2番目はロータリースタビリティで37.8%。3番目はディープスクワットで31.1%。以下ショルダーモビリティリーチングは27.0%。ハードルステップは16.2%。アクティブストレートレッグレイズは12.2%。インラインランジは5.4%。の順であった。結果③:リスクあり群を動作テスト項目ごとにみていくと,基礎的な動作パターンの可動性の項目,安定性の項目,応用的動作パターンの項目の中では安定性の項目が62.2%で最も多かった。可動性の項目の中では,ショルダーモビリティリーチングでリスクあり群が最も多かった。結果④:基礎的な動作パターンの中ではアクティブストレートレッグレイズが応用動作パターンの中ではインラインランジで最もリスクなし群が多かった。【考察】結果①より,現在は診断名がついておらず,医療的介入を受けていないにもかかわらず,動作テストによって痛みが出る選手が29.7%おり,現役の選手でも痛みのある中,トレーニングを続けていることがわかった。さらに現在,痛みはないが将来的に障害を起こす可能性のある選手が55.4%いることがわかった。この選手たちはパフォーマンスに関しての指導は受けていたが動作の質への意識や,基本的な運動に関しては指導を受けていないため,理学療法士の個別の介入の必要性があると考えられる。結果②,③,④から体幹やコアの反射的な安定性が低下した選手が多かったことが考えられる。近年,コアエクササイズがよく推奨されているが,今回のスクリーニングでは点数が低かったテストでは肩甲帯の安定性も必要となるため肩甲帯,コア,骨盤を反射的に安定させながら動作を行う能力の低下も問題に繋がると考えられる。【理学療法学研究としての意義】スポーツ現場では筋力やスピードなどパフォーマンスの量的評価が重要視されているが,FMSは運動パターンの質を評価することにより障害のリスクを予測するものである。動作をスクリーニングすることにより,将来の障害のリスクの可能性がある選手を発見するための標準化されたテストとして有用であると考え,予防を目的とした理学療法を実施するための一助となり得るのではないかと思われる。
著者
大竹 剛 真島 恵吾 合志 清一 藤井 亮介 伊藤 浩 鈴木 光義 高井 重典 寛座 武智
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.1292-1300, 2008-08-01
被引用文献数
1

As digital broadcasting has become widespread and the available bandwidth for Internet access has become wider, more high-quality digital content has been distributed to users, making illegal copying a critical issue in the content business. New technology for identifying illegally distributed content is necessary to deter it. We developed two methods for identifying video content: the extraction of characteristic information from video and the use of phase-only correlation. A system was developed to apply these methods to digital TV programs. Experiments on four weeks of broadcast content gave good results, which suggests that a combination of the two methods would enable us to identify video content distributed illegally over the Internet precisely and quickly.