著者
佐藤 正典 藤井 壽崇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.97, no.30, pp.35-42, 1997-04-25
被引用文献数
4

水中における超音波の非線形現象を解析するために、フォノンの概念を用いた。周波数ν波長λの超音波を、エネルギーhν、運動量h/λを持つフォノンの集まりと考え、量子力学的なエネルギーおよび運動量保存則を適用した。超音波の運動量の考え方により音の放射圧および音響流の理解が容易になる。さらにフォノンのエネルギーに関するパラメトリック崩壊のメカニズムは、サブハーモニック、キャビテーション、キャピラリー彼の発生メカニズムをうまく説明できる。これらの非線形現象に関する流体力学的解析とフォノンによる取り扱いはよく一致し、工学的応用に限れば、フォノンを用いる方法は見通しよく有効である。
著者
佐藤 正典 藤井 壽崇
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.356-358, 1997-05-01 (Released:2017-06-02)

超音波をフォノンの集合体としてとらえ媒質によるフォノンの反射と吸収によりLangevinの放射圧の発生メカニズムを解析し, 流体力学を用いた取り扱いと比較した。周波数をω, 波数をkとするとフォノンはエネルギーhωと運動量hkを持つ。超音波と媒質で運動量の保存則が成り立ち, 媒質はフォノンの吸収で同量の運動量を, 反射では2倍の運動量を受け取り音の放射圧を受ける。フォノンの個数計算による運動量の受け渡しから音の放射圧を求め, これが従来の流体力学的取り扱いと同じ結果を与えることを示しフォノンによる取り扱いは見通し良く音の放射圧のメカニズムを説明することを述べる。