- 著者
-
藤岡 由美子
- 出版者
- 公益社団法人 日本栄養士会
- 雑誌
- 日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.5, pp.316-325, 2016 (Released:2017-09-26)
- 参考文献数
- 27
「栄養ケアプロセス」 および 「標準用語」 を管理栄養士・栄養士が正しく理解し実践できるようになるには、大学教育に採用することが有効だと考え栄養ケアプロセスを授業で実践した。平成23~25年における臨床栄養学実習の初回と最終回に栄養ケアプロセスの栄養診断を実施し、臨床症例の栄養学的問題を標準用語から選択させ、最終回に栄養診断と標準用語を使用する利点や懸念について考察させた。学生はどちらの回もおおむね妥当な栄養学的問題を標準用語から選択した。利点では国際的な標準化により管理栄養士・栄養士の役割と責任が明確化し、管理栄養士・栄養士や施設間の連携が促進されることが挙げられた。懸念では不十分な理解では標準用語を適切に選択できないという不安や、正確に理解するための努力や訓練が不可欠という課題が挙げられた。今後、本邦において栄養ケアプロセスおよび標準用語を普及させるためには、大学教育や生涯教育における積極的な実践が期待される。