著者
川村 登 並河 清 藤浦 建史 浦 元信
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.353-358, 1984 (Released:2010-04-30)
参考文献数
3
被引用文献数
7

トマト等の果菜類の自動収穫を目的として比較的安価で, 消費電力の小さい小型の農業用知能ロボットの試作を行った。マニピュレータは自由度5で, 直流モータ駆動の人間腕型のものとし, その動きを数値制御して果実の把握を行えるようにした。テレビカメラにはMOS形固体撮像素子を用いたものを使用し, 赤信号と輝度信号をコンパレータで比較し2値化してDMAにより画像メモリに入力した。画像入力はカメラを移動して2度行い, ステレオ写真の方法で果実の3次元位置を得た。このロボットを用いて野外で連続した果実収穫実験を試みた。本報では主にマニピュレータのハードウェアとソフトウェアについて, また果実収穫の基本動作の実験結果について報告する。
著者
川村 登 並河 清 藤浦 建史 浦 元信
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.353-358, 1984
被引用文献数
15

トマト等の果菜類の自動収穫を目的として比較的安価で, 消費電力の小さい小型の農業用知能ロボットの試作を行った。マニピュレータは自由度5で, 直流モータ駆動の人間腕型のものとし, その動きを数値制御して果実の把握を行えるようにした。テレビカメラにはMOS形固体撮像素子を用いたものを使用し, 赤信号と輝度信号をコンパレータで比較し2値化してDMAにより画像メモリに入力した。画像入力はカメラを移動して2度行い, ステレオ写真の方法で果実の3次元位置を得た。このロボットを用いて野外で連続した果実収穫実験を試みた。本報では主にマニピュレータのハードウェアとソフトウェアについて, また果実収穫の基本動作の実験結果について報告する。
著者
赤瀬 章 藤浦 建史 今川 順一
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

トレリス栽培されたオウトウを対象にして,三次元視覚センサを取り付けた直角座標ロボットを試作した。収穫ハンドは開閉型,平行リンク型,リング型,カット型を試作した。果実とロボット間の距離は40cmが最も適していた。ほ場試験では,ハンドの位置が果梗からずれる場合があった。そのずれは最大約1cmであり,ハンドの位置決定成功率は57.2%であった。ハンドの位置決定が適正になされた時の各ハンドの果実収穫率は,開閉型と平行リンク型では80%以上であった。リング型ではその直径が果実直径に比して小さかったため0%であった。1本仕立てのオウトウを対象とした収穫ロボットも試作して実験を行った。この栽培様式は側枝を整枝して主幹のみを並木状に栽培するものである。このロボットは,4自由度マニピュレータ,三次元視覚センサ,ハンド,コンピュータ,走行部などで構成した。三次元視覚センサの画像を処理して,果実や障害物の位置を認識し障害物を避けて果実収穫を行うようマニピュレータの軌道を決定した。ハンドは果実を吸着したあと,フィンガで果梗を把持して収穫するものとした。実験の結果,目的外果実をフィンガで把持することがあったため,フィンガの開口幅を小さくして実験を行った。開口幅を小さくすると目的外果実は損傷しなかった。低樹高一本仕立ては,植栽5年目に10a当たり約500kg,7年目に10a当たり約800kgの収量を得ることができた。作業時間は盃状形と比べて,収穫は約3分の2,剪定は約4分の1に抑えられたが,摘芯は約3倍かかった。ポットを用いた加温栽培試験では,休眠覚醒直後(7.2℃以下の遭遇時間が1,400時間)に最低温度5℃から漸次昇温し,5月中旬収穫を目標とするのが効率的と考えられた。