著者
神庭 純子 藤生 君江 吉川 一枝 山口 明子 中野 照代 荒木田 美香子 仲村 秀子 山名 れい子
出版者
岐阜医療科学大学
雑誌
岐阜医療科学大学紀要 (ISSN:18819168)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.47-53, 2007

乳幼児健診の場を育児支援の機会としてとらえ,継続的なフォローアップを行うことが求められている。そこで,育児機能アセスメントッール(PAFFAT. ver. II)を用いた調査を行い3歳児健診における要経過観察群(92名)と非経過観察群(332名)を対象として育児機能の比較を行った。その結果,要経過観察群と非経過観察群において有意な差がみられた項目は4項目であった。家族の情緒機能における「家庭内の重要な決定をするのに家族がいてくれてよかったと思う」,家族の健康機能(遊び)における「子どもを友達と遊ばせている」,家族の教育的機能における「弱い人や動物を大事にするように話している」,育児満足感における「子どもを授かってよかったと思う」の各項目において,要経過観察群の方に否定的な回答が多くみられた。また,母親の経過観察が特に必要であると判断された群では,育児負担感因子4項目において育児機能の低下がみられ,育児負担感を強く感じているという結果であった。要経過観察群の育児機能の特徴をふまえて,健診後の継続的な育児支援をしていくことが重要である。
著者
鈴木 知代 中野 照代 藤生 君江 入江 晶子 仲村 秀子 顧 寿智 片山 京子 任 輝 謝 小燕
出版者
聖隷クリストファー大学
雑誌
聖隷クリストファー大学看護学部紀要 (ISSN:13482017)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.99-107, 2004-03-31
被引用文献数
1

個人・家族・地域の力量を高めるための地域看護活動の要因を検討する目的で、中国の重慶市の中心地にある市区と郊外にある大足県の4家族の家庭訪問調査と地区踏査を実施した。その結果より「育児のサポートカの強さ」、「家族のきずなの強さ」、「近隣の相互扶助力の強さ」そして「個人のセルフケア能力の高さ」が共通の特徴として抽出された。家族機能と家族・親族・近隣が支え合う伝統的な地域コミュニティの存在が確認された。
著者
藤生 君江 神庭 純子 富安 真理 鈴木 みちえ 長澤 久美子 蒔田 寛子
出版者
岐阜医療科学大学
雑誌
岐阜医療科学大学紀要 (ISSN:18819168)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.15-20, 2008

本研究は,在宅看護論における家族支援に関する学習効果について検討することを目的として,学生の介護者の自己実現に対する認識に焦点をあてて,マズローの欲求階層理論に基づく質問紙調査を実施した。対象者は,S大学看護学部2002年度大学生123名である。実習前後における平均値では,5基本的欲求に有意差はみられなかった。順位では,両者ともに安全が1位を占め,2位は,実習前は生理であったが実習後は自己実現に変化していた。生理に偏りがちな看護学生の認識を自己実現に変化させ視野を広げていると考えられた。基本的欲求下位項目で有意差がみられたのは,「常に睡眠不足のため身体の調子は良くない」のみで,実習前より実習後のほうが低かった。因子分析では実習前は,承認のみで占められていたが,実習後は,生理のほかに愛と所属,自己実現の欲求が出現し第1因子が異なり,学生の認識に変化がみられた。以上の結果から第1報における環境因子に着目した家族支援に関する学習効果が,在宅看護実習を経験することによりさらに定着されたことが本報でも示唆された。