著者
藤田 さより 新宮 尚人
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.469-480, 2019-08-15 (Released:2019-08-15)
参考文献数
24
被引用文献数
1

本研究の目的は,「作業体験」が統合失調症者の就労意識にどのような影響を与えるのか明らかにすることである.方法は,統合失調症者12名に就労に対する思いと,作業体験について尋ねる半構成的インタビューを実施して,質的記述的分析を行った.結果として,参加者は就労に対し不安を持ち,支援を必要としていた.作業体験により,【作業体験によるポジティブな感情】,【作業体験によるネガティブな感情】,【作業体験からの気づき】のカテゴリが抽出された.作業体験は,自己効力感や作業能力を向上させ,困難を乗り越える力を与え,また自己の能力を適切な客観的評価に近づけることで職種とのミスマッチを防ぐなど,就労に有用な影響を与える可能性が示唆された.
著者
澤田 辰徳 建木 健 藤田 さより 小川 真寛
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.167-178, 2011-04-15

要旨:本研究は,「作業療法」と「リハビリテーション」に対する一般市民の認知度を調査することを目的とした.2つの言葉に対する街頭アンケートを4都道府県で行った結果,542人からのデータが得られた.得られたデータはテキストマイニング手法により分析し,クラスター解析を行った.2つの言葉は各11のカテゴリーに分類された.「リハビリテーション」の構成要素は機能回復に関連しているものが多かった.「作業療法」は抽象的な内容やわからないというものが混在していた.これらのことから,一般市民にリハビリテーションという言葉は認識されつつあるが,作業療法という言葉そのものや,作業療法の内容に関する認識は低いことが示唆された.