著者
村上 結城 藤田 明子 渡邉 義之 岡田 芳治 野村 正人
出版者
美味技術学会
雑誌
美味技術学会誌 (ISSN:21867224)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.5-10, 2015-07-31 (Released:2018-10-15)
参考文献数
12

収穫年度の異なる広島県産ヒノヒカリを用いた炊飯時の水蒸気中に含まれる香気成分を同定し,古米化および炊飯前の洗米方法が香気成分に及ぼす影響について検討した。さらに,それらの抗酸化能を評価した。その結果,米の貯蔵期間が長くなるにしたがい,アルデヒド類,アルコール類,脂肪酸類等,古米臭の原因成分の増加が確認された。また,洗米時の研ぎ回数の増加により炊飯後の古米臭が低減されることが示され,同時に香気成分の抗酸化能の低下が確認された。
著者
西本 有紀 辻井 良政 菱川 美千代 髙野 克己 藤田 明子
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-22-00055, (Released:2023-01-06)

本研究では,ブレンド米の食味評価方法に着目し,ブレンド比率による各評価の精度や,ブレンド米の食味について新知見を得られた.1. 酵素活性量測定,粘弾性測定,食味官能評価,機器による食味評価(食味鑑定団),いずれの方法においても,精白米のブレンド比率ごとの予測値と測定値の相関係数はr≧0.57(p<0.05)であり,高い精度で測定ができることがわかった.2. 食味評価が低い精白米のブレンド割合が多くなるにつれ,食味の低下がみられた.ただし,特徴が異なる精白米のブレンドにおいてはその比率による食味の変化が大きく,類似品種のブレンドにおいては,食味の差異が小さいことがわかった.3. ブレンド比率が食味に与える影響は,酵素活性量(β-アミラーゼ,β-ガラクトシダーゼ),粘弾性評価,そして食味評価(食味官能試験・機器測定)により明らかになることがわかった