著者
藤田 裕一郎
雑誌
朝日大学留学生別科紀要 = Review of Asahi University Japanese Language & Culture Course
巻号頁・発行日
vol.15, pp.17-21, 2018-03-31

本稿では、自身の初級クラスの授業を振り返り、会話練習がより活気に溢れたものになるよう授業設計を改善し、実践した。改善点は、学習目標を明確にするため、1回の授業で扱う3つ程度の文型項目を一連の場面としてつなげ、それぞれの文型項目における練習までをワンステップとし、毎回の授業の最後に教師の前でペアで一連の会話を発表することで授業の目標を達成するようにしたことである。 本実践を1学期間行い、1)教師自身の振り返り、2)機関が実施する学習者アンケート、3)この授業設計について学習者に直接聞いたアンケートによって評価した。その結果、機関の学習者アンケートによる他教師との比較では差が見られなかった一方で、教師自身の振り返りと学習者に直接聞いたアンケートでは肯定的な意見が多く、ペアで目標を達成しようとする取り組みの中で協働やペア間の競争意識が生まれ、それが会話練習のやる気を喚起したのではないかと考えた。
著者
芦田 和男 湯城 豊勝 岡部 健士 藤田 裕一郎 澤井 健二 江頭 進治
出版者
京都大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1990

本研究は河床が低下する傾向にある河川の堤防・護岸の安全性を水理学的観点から明らかにすることを目的として行ったものである。以下、本研究によって得られた知見を要約する。1.河床低下の傾向にある交互砂州河道には、一般に抵水路が形成され、低水路の屈曲部には深掘れが生じる。これは流れの集中によるものであるが、低水路を満杯で流れる条件において、洗掘深は最大になる。2.護岸の被災過程には法勾配及び水潤している法長に応じて明確な差異がある。同一護岸高であれば、1割以上の急な護岸は主に土質力学的過程によって前方に押し出されるように起立して被災し、2割の護岸は目地等の間隙に働く流体力によって浮き上がるようにして被災する。3.低水路の屈曲部の深掘れを軽減するための方法の一つに不透過水制を設置する事が考えられる。この種の水制によって深掘れは著しく緩和されることが判明した。4.低水路を有する河川の弱点を捜し、その安定性を高めるための工法をより一般的に評価することを目的として、工作物の影響や2次流の影響を取り入れた平面2次元流れと河床変動に関するシミュレ-ション法を開発した。