著者
嶋根 卓也 邱 冬梅 和田 清
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.2, pp.173-178, 2020-02-01 (Released:2020-02-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

This study aimed to review the current state and trends in cannabis use in Japan, using data from several national epidemiological surveys. The number of cannabis users in the general population was estimated approximately 1.3 million people. Cannabis use increased between 2015 and 2017. In 2017, the lifetime prevalence of cannabis use was greater than that of inhalants, and cannabis had become the most abused drug in Japan. The increase in cannabis users is thought influenced by increased access to illegal cultivation and positive thinking about cannabis use among many people, especially younger individuals.
著者
和田 清
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.569-574, 1997-08-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
19
被引用文献数
1
著者
尾崎 茂 和田 清
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.117, no.1, pp.42-48, 2001 (Released:2002-09-27)
参考文献数
35
被引用文献数
4 5

動因喪失症候群(amotivational syndrome)は, 有機溶剤や大麻等の精神作用物質使用によりもたらされる慢性的な精神症状群で, 能動性低下, 内向性, 無関心, 感情の平板化, 集中持続の因難, 意欲の低下, 無為, 記憶障害などを主な症状とする人格·情動·認知における遷延性の障害と考えられている.1960年代に, 動因喪失症候群は長期にわたる大麻使用者における慢性的な精神症状として報告された.その後, 精神分裂病の陰性症状, うつ病, 精神作用物質の離脱症候などとの鑑別が問題とされ, 定義の曖昧さを指摘する意見もあるが, 現時点では臨床概念として概ね受ケ入れられつつある.その後, 有機溶剤使用者においても同様の病態が指摘されるとともに, 覚せい剤, 市販鎮咳薬などの使用によっても同様の状態が引き起こされるとの臨床報告が続き, 特定の物質に限定されない共通の病態と考える立場がみられつつある.また, 精神作用物質使用の長期使用後のみならず, かなら早期に一部の症状が出現することを示唆する報告もある.1980年代より, X線CTなどを用いた有機溶剤慢性使用者における脳の器質的障害の検討によって, 大脳皮質の萎縮などが指摘されてきた.最近は, 神経心理学的手法, MRI, SPECTといった形態学的あるいは機能的画像解析などを用いて, 動因喪失症候群の病態をより詳細に解明しようとの試みがなされつつある.それによれば, 動因喪失症候群にみられる認知機能障害の一部には, 大脳白質の障害が関連し, 能動性·自発性低下には前頭葉機能の低下(hypofrontality)が関連している可能性が示唆されている.これについては, 動因喪失症候群の概念規定をあらためて厳密に検討するとともに多くの症例で臨床知見を重ねる必要がある.治療については今のところ決め手となるものはなく, 対症的な薬物療法が治療の中心である.賦活系の抗精神病薬や抗うつ薬を中心に投与しつつ, 精神療法や作用療法を適宜導入して, 長期的な見通しのもとに治療にあたることが求められる.
著者
勝野 眞吾 鬼頭 英明 西岡 伸紀 三好 美浩 和田 清 吉本 佐雅子 尾崎 米厚 永井 純子
出版者
岐阜薬科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

若者の喫煙,飲酒を含む薬物乱用は変化するので繰り返し調査をしてモニタリングを行うことが必要である.本研究では,日本とアジアの青少年の薬物乱用の実態を調査し,データ・アーカイブを構築した.得られた結果は以下のようである.(1) 日本の青少年の喫煙,飲酒経験は連続して低下しており,2009年の時点でのこれまで1度でも喫煙経験した者の割合は13.1%,飲酒生涯経験率は56.7%であった. (2) 何らかの違法薬物を一度でも経験した者は2009年,男子1.1%,女子で0.6%であった. (3) 日本を含むアジア諸国の青少年の違法薬物乱用経験は欧米に比べて著しく低い. (4) 日本の高校生のほとんどは,薬物乱用の危険性をよく理解し,乱用に拒否的な態度を もつ. (5) 以上をまとめデータ・アーカイブを構築するとともに,その重要性を指摘した.
著者
和田 清 森 誠一 遠藤 協一 藤井 孝文
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
河川技術論文集 (ISSN:24366714)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.397-402, 2016 (Released:2022-04-01)
参考文献数
10

This study has analyzed factors for recovery of the fishway by cluster analysis and main component analysis using check-sheet data of fishway in Gifu prefecture. Directionality to connect with a repair method of construction using the result was examined. It is pointed out that the function of the fishway decreases, when the item of the damage of the structure, stream route, step of the flow, partial scour in a riverbed are one. In Ono fishway of the Yoshida River, the need of continuous flow quantity monitoring to connect it with the life cycle of fish was shown. All the fishways that an evaluation of the Yoshida River has worse are erosion control dams. The function of the fishway decreases by complex factors such as the sedimentation of riverbed material and the drifting wood. It is clarified that the function of Futamate fishway was restored by simple repair, and the improvement of the maintenance system.
著者
相良 節夫 大林 正直 壇上 光昭 村田 純一 和田 清 熊丸 耕介 三木 康臣
出版者
九州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

本研究では、(1)多変数線形システム(2)未知パタン変動システム(3)分布定数システム(4)電力システムの4種のシステムを対象としている。以下、各対象システムごとに順に研究成果の概要をまとめる。(1)一般化最小2乗推定値を得るための計算効率のようアルゴリズムを提案し、またバイアス補償最小2乗法を入出力に観測雑音がある場合に拡張した。最小2乗法の数値的不安定性のシステム・雑音特性との関連を解析した。さらに、多変数システムの表現法として、ベクトル差分方程式の重複形表現の有効性を明らかにした。(2)未知パタン変動として現れるシステムの故障の有効な診断法として、簡易診断部と精密診断部からなる階層的診断法を提案し、故障検出感度の事前評価法を考案した。また、診断の困難な適応制御システムを対象に、ファジィ推論法に基づく診断手法を開発した。さらに、分散形システムに対して、さブシステムごとに推定結果を統合して適切な診断を行うコ-ディネ-タの設計法を提案した。(3)分布定数システムの有限次元近似手法であるガラ-キン法について、座標関数の選び方と近似精度との関係を解析した。また、偏徴分方程式のパラメ-タ同定手法として、数値積分フィルタ・最適ディジタルフィルタを用いた手法を提案した。一方、高温金属面と沸騰水との境界の関度や熱流続の特性を、直接測定することなく分布定数システムの境界条件推定問題として求める方法を開発した。(4)複雑なシステムのモデル化が必要となる電力負荷予測について考察し、モデルを自動選択する1日先負荷予測、気温モデルによる負荷時系列の定常化処理を行う1週間負荷予測の各手法を開発した。また、発電機制御の新しい方式を提案し、簡単な構成によって制御性能・ロバスト性とも大幅に向上できることを示した。
著者
和田清
雑誌
アルコール研究と薬物依存
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.143-158, 1990
被引用文献数
9
著者
尾崎 茂 和田 清
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.117, no.1, pp.42-48, 2001-01-01
被引用文献数
5

動因喪失症候群(amotivational syndrome)は, 有機溶剤や大麻等の精神作用物質使用によりもたらされる慢性的な精神症状群で, 能動性低下, 内向性, 無関心, 感情の平板化, 集中持続の因難, 意欲の低下, 無為, 記憶障害などを主な症状とする人格·情動·認知における遷延性の障害と考えられている.1960年代に, 動因喪失症候群は長期にわたる大麻使用者における慢性的な精神症状として報告された.その後, 精神分裂病の陰性症状, うつ病, 精神作用物質の離脱症候などとの鑑別が問題とされ, 定義の曖昧さを指摘する意見もあるが, 現時点では臨床概念として概ね受ケ入れられつつある.その後, 有機溶剤使用者においても同様の病態が指摘されるとともに, 覚せい剤, 市販鎮咳薬などの使用によっても同様の状態が引き起こされるとの臨床報告が続き, 特定の物質に限定されない共通の病態と考える立場がみられつつある.また, 精神作用物質使用の長期使用後のみならず, かなら早期に一部の症状が出現することを示唆する報告もある.1980年代より, X線CTなどを用いた有機溶剤慢性使用者における脳の器質的障害の検討によって, 大脳皮質の萎縮などが指摘されてきた.最近は, 神経心理学的手法, MRI, SPECTといった形態学的あるいは機能的画像解析などを用いて, 動因喪失症候群の病態をより詳細に解明しようとの試みがなされつつある.それによれば, 動因喪失症候群にみられる認知機能障害の一部には, 大脳白質の障害が関連し, 能動性·自発性低下には前頭葉機能の低下(hypofrontality)が関連している可能性が示唆されている.これについては, 動因喪失症候群の概念規定をあらためて厳密に検討するとともに多くの症例で臨床知見を重ねる必要がある.治療については今のところ決め手となるものはなく, 対症的な薬物療法が治療の中心である.賦活系の抗精神病薬や抗うつ薬を中心に投与しつつ, 精神療法や作用療法を適宜導入して, 長期的な見通しのもとに治療にあたることが求められる.

1 0 0 0 IR 渤海国地理考

著者
和田 清
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.419-474, 1954-03

The Chapter on Po-hai (渤海) in the New T'ang Annals (新唐書) is a quite authentic source, as it was based on "Po-hai-kuo-chi" (渤海國記), the Description of the Po-hai Kingdom, by Chang Chien-chang (張建章) who visited himself the country as an ambassador. By means of its description the writer has succeeded in locating 5 metropolei (五京), 15 local centres (十五府) and 62 provinces (六十二州) of the country. In connection with these he also has determined the territorities of the Seven Tribes of Mo-ho (靺鞨) stated in the Chapter on Mo-ho of the Sui Annals. The identification of these places is the problem that no one has ever been able to solve. As no history of the inner Manchuria is more detailed than the history of Po-hai, the success in fixing the localities of Po-hai offers a solid foundation on which other geographical studies can be made. At the same time the writer is convinced that he can solve the problem about the peoples inhabiting the North-Eastern Asia beyond the boundaries of Po-hai. He also has been successful in allocating the Tribe Wu-jo (兀惹), the descendants of Hei-shui Mo-ho (黑水靺鞨). These results will be published at other opportunities.

1 0 0 0 OA 渤海国地理考

著者
和田 清
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.419-474, 1954-03

The Chapter on Po-hai (渤海) in the New T’ang Annals (新唐書) is a quite authentic source, as it was based on “Po-hai-kuo-chi” (渤海國記), the Description of the Po-hai Kingdom, by Chang Chien-chang (張建章) who visited himself the country as an ambassador. By means of its description the writer has succeeded in locating 5 metropolei (五京), 15 local centres (十五府) and 62 provinces (六十二州) of the country. In connection with these he also has determined the territorities of the Seven Tribes of Mo-ho (靺鞨) stated in the Chapter on Mo-ho of the Sui Annals. The identification of these places is the problem that no one has ever been able to solve. As no history of the inner Manchuria is more detailed than the history of Po-hai, the success in fixing the localities of Po-hai offers a solid foundation on which other geographical studies can be made. At the same time the writer is convinced that he can solve the problem about the peoples inhabiting the North-Eastern Asia beyond the boundaries of Po-hai. He also has been successful in allocating the Tribe Wu-jo (兀惹), the descendants of Hei-shui Mo-ho (黑水靺鞨). These results will be published at other opportunities.