著者
津波古 澄子 中島 恵美子 三浦 友理子 藤野 ユリ子
出版者
清泉女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

看護教育者を対象に、変化への柔軟な対応力と看護実践力を育む領域横断的「概念基盤学習」の実践をとおして看護教育の質および指導力(学習コーチングと臨床コーチング)の向上を図るために、教育ネットワーク創りと実装支援研究を行う。具体的には、看護教育において高頻度で使用する概念をベンチマーク(先行研究, Giddens ら,2012)で抽出し、共通概念を基に学習支援に向けた指導用の教材を完成させ、新たな看護教育の選択肢の一つとして提供する。なお、作成した指導用教材は研究協力校および導入希望校(看護系大学と看護専門学校)に配布し、必要に応じて教育支援と評価を行う。
著者
坂本 洋子 森本 淳子 藤野 ユリ子
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学intramural research report (ISSN:13478877)
巻号頁・発行日
no.4, pp.160-170, 2005

集中内観法の有効性に関する事例研究は多く見られるが、集団的に調査をした研究は非常に少なく思われる。そこで15ケ月間にM内観研修所を訪れた内観研修参加者のうち研究協力に同意の得られた265名を対象に調査研究を行った。研究の主たる目的は、参加者の参加動機、内観法実施の前後における感情や意識の変化の状況、内観過程中の辛かった時期やその時の感情や意識、気持の変化が現れたときの状況などを検討し、自己変容の心理的要因を明らかにすることにある。結果として、内観参加者は男女ほぼ同率、各年代による参加に大差はないが、やや20代女性が多く、60歳以上の参加は非常に少なかった。内観過程おいて、心理的身体的苦痛は90.2%の人にあり、2日目頃から起こり3日目がそのピークとなる。苦痛は、雑念が浮かんで内観の深まらない辛さが最も多く、他に内観実施に対する疑問、抵抗,被拘禁感、逃げ出したい気持、内観の進展に伴って起こる自分の醜さ、情けなさを知る辛さ等があった。しかし耐えて続けて実施することにより、後期には84.2%の人に心の変化が現れている。気持の安らぎ、自己覚知と他者理解、ものの見方、見え方の変化が現れ、終了後多くが、達成・成就感、清明感、自己肯定を得ることができていた。
著者
坂本 洋子 藤野 ユリ子 大塚 邦子 石橋 通江 森本 淳子
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学intramural research report (ISSN:13478877)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-9, 2006-12-22

人間関係論演習の一環として看護大学2 年生の希望者を対象に、構成的グループ・エンカウンターを4年間実施した。その結果、参加前後の気持ちや自己イメージの変化は、いずれも肯定的に変化していた。またオープナー・スケールも肯定的に有意に変化していたため、相手をリラックスさせ自己開示を促す能力が向上していることが示唆された。また、実施後3 ヶ月、1 年後にフォローアップ・アンケートを実施した結果、自己理解や他者理解の深まり、新しい人間関係の形成、自己課題の発見など実施直後と同様の結果が得られ効果の持続が示唆された。また、グループ体験が臨地実習やグループワークに活かされているという結果も得られた。今後の課題として、対象が多くなった場合、抵抗を感じる学生やエクササイズを消化すればよいと感じる学生が出てくることが考えられるため、エクササイズの工夫や適正なファシリテーターの指導方法の検討が必要である。