著者
川島 利兵衛 天下井 清 蛇沼 俊二
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.107-115, 1980

The typhoon 20, 1979 was strong and severe. It ran through the Japanese Islands quickly and caused damages throughout Japan. In this paper, the behaviour of typhoon 20, 1979 and the state of the sea as the typhoon approached the coast of Hokkaido, were investigated. In addition, the damages to fishing boats, fishing facilities and establishments and sea causalities of fishing boats were investigated. In this investigation, the relationship between the movement of the typhoon 20 and damages and sea causalities caused by the typhoon were considered and discussed.
著者
芳村 康男 蛇沼 俊二 前川 和義
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

船体の左右に一対のフィンを船首あるいは船尾付近に装備し、このフィンの角度を効果的に制御することによって、横揺れだけでなく、縦揺れ、および船首揺れをも減少させようとする新しい統合型減揺フィンの開発をめざして研究を行い、本年度は以下の成果を達成した。1)既存の漁業調査船を供試模型船(全長:約2m)とし、フィンの取付け位置を前年度の理論検討結果を用いて、より効果的な場所に変更し、水槽実験を実施した結果、縦揺れ・横揺れの双方に有効な結果が得られた。2)上記の模型実験は、20年度と同様、船を曳航する方式で減揺性能を確認したが、最終年度にあたる21年度は、模型船に舵・プロペラを装備して模型船を波浪の中を自走させ、向波だけでなく、横波斜波中の実験を実施した。使用した水槽は(株)IHI横浜研究所の大型角水槽である。また、模型船は無線操縦によって操船を行った。この実験の結果本減用システムは、種々の波向きの航走でも有効なことが確認できた。3)上記の実験を行う中で、減用フィンが操縦性能に及ぼす影響についても調査した。その結果、船首フィンの場合は、波浪中を直進するに際して、舵角を大きくとり、やや操船しにくいが、逆に船尾フィンの場合は、保針に要する舵角も小さく、操船し易いことが明らかとなった。4)以上の実験結果から、統合型の減用フィンは船尾に装備することが望ましいことが判明した。5)上記の研究成果は総合的に評価を行い、その結果を21年度の北海道大学の修士論文1件、および卒業論文1件としてまとめた。