著者
鈴木 法臣 和佐野 浩一郎 川﨑 泰士 行木 英生
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.305-310, 2014 (Released:2015-03-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2

甲状腺癌のうち,高分化癌(濾胞癌,乳頭癌)は予後良好といわれているが,その中にも再発を反復,遠隔転移を来たすことで予後不良の経過をたどる一群が存在する。甲状腺癌の根治性をさらに高め,生存率を向上させるためにはこの予後不良群に対する診療方針の検討が必要と考えられる。当科における過去11年間の甲状腺高分化癌137例を対象として,再発規定因子を検討したところ,術後の病理所見で「静脈浸潤あり」,「頸部外側区域リンパ節転移あり」,「甲状腺被膜外浸潤あり」が再発規定因子になるという結果を得た。再発のリスクが高いと予測される高分化癌症例に対する今後の治療方針の指標作成を目指した。
著者
藤井 正人 神崎 仁 大築 淳一 小川 浩司 磯貝 豊 大塚 護 猪狩 武詔 鈴木 理文 吉田 昭男 坂本 裕 川浦 光弘 加納 滋 井上 貴博 行木 英生
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.225-231, 1994-03-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
8

セフポドキシムプロキセチル (CPDX-PRバナン錠®) は三共株式会社が開発した経口用セフェム系抗生物質で広範囲な抗菌スペクトルムを有するのが特色である. 今回, われわれは耳鼻咽喉科領域の感染症に対する有効性と安全性を検討した. 166症例に対して CPDX-PRを症状に応じて一日200mgないし400mg分2投与を4日以上最大14日間投与した。著効が51例, 30.7%にみられ, 有効例は68例, 41.0%にみられた. 疾患別では急性扁桃炎と急性副鼻腔炎が高い著効率を示した. 慢性中耳炎の急性増悪, 急性咽頭炎では高投与量で良好な効果を示した. 自覚的症状の改善度では, 咽頭痛の改善が良好な結果であつた. 投与前後の細菌検査を行つた20例30株では菌消失率では77%と良好な結果であつた. 副作用は1例に発疹が見られたのみであつた. 以上よりCPDX-PR は耳鼻咽喉科感染症に対して高い有効率と安全性を示すと考えられた.