- 著者
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加藤 克
山本 一博
- 出版者
- 一般社団法人 日本血栓止血学会
- 雑誌
- 日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.6, pp.571-576, 2020 (Released:2020-12-14)
- 参考文献数
- 15
高齢化に伴い心房細動(atrial fibrillation: AF)患者は増加し,2050年にはAF有病率が1.1%(103万人)を超えるとされている.AF患者の心原性脳塞栓発症率は年間約5%と高く,90%以上が左心耳由来である.心原性脳塞栓はアテローム血栓性脳梗塞に比べ,梗塞巣が広く重篤化しやすく死亡率や介護度も高くなる.したがってAF患者の治療に際しては抗凝固療法の適応の有無を評価することが推奨される.一方,脳卒中のリスクが高く長期的に抗凝固療法が推奨される患者のうち,出血リスクの高い患者への対応に苦慮することも少なくない.このような患者に対する長期的抗凝固療法の代替として,WATCHMAN左心耳閉鎖デバイス(left atrial appendage closure: LAAC)が2019年9月に日本でも保険適用となった.本稿ではLAACの適応,術前後の流れや併用薬,さらには今後の期待と課題について概説する.