著者
加藤 克 山本 一博
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.571-576, 2020 (Released:2020-12-14)
参考文献数
15

高齢化に伴い心房細動(atrial fibrillation: AF)患者は増加し,2050年にはAF有病率が1.1%(103万人)を超えるとされている.AF患者の心原性脳塞栓発症率は年間約5%と高く,90%以上が左心耳由来である.心原性脳塞栓はアテローム血栓性脳梗塞に比べ,梗塞巣が広く重篤化しやすく死亡率や介護度も高くなる.したがってAF患者の治療に際しては抗凝固療法の適応の有無を評価することが推奨される.一方,脳卒中のリスクが高く長期的に抗凝固療法が推奨される患者のうち,出血リスクの高い患者への対応に苦慮することも少なくない.このような患者に対する長期的抗凝固療法の代替として,WATCHMAN左心耳閉鎖デバイス(left atrial appendage closure: LAAC)が2019年9月に日本でも保険適用となった.本稿ではLAACの適応,術前後の流れや併用薬,さらには今後の期待と課題について概説する.
著者
山本 一博
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

量子場の非局所相関の構造と曲がった時空に現れる熱的現象の関係をより深く理解するための研究と、それをより一般の系へ拡張する研究を進め成果を得た。初めに、量子場の非局所相関のより深い理解に関しては、量子情報理論の技術を応用した観点からの研究を進め、多検出器を導入した理論模型の研究を行なった。リンドラー時空において一定加速運動する多検出器模型を導入し、量子場と相互作用する多検出器系に4次元においても揺動散逸関係の一般化であるcorrelation-propagation-relation(相関伝播関係)が成立することを示した。この成果は、リンドラー時空から見た時の平衡状態で成立するエネルギーの流れに関する関係を示すものである。この関係が慣性系から見た時に非局所相関に起因する量子放射とどのように関係するかは今後の課題である。研究成果はPhysics Letter Bに掲載された。また、量子場の非局所相関の構造をより一般の系に拡張する研究に関しては、スカラー場の場合と同様にスピノル場のミンコフスキー真空を左右2つのリンドラー時空で構成される状態で記述するための研究を共同研究者と進めた。一般的な2次元リンドラー時空のディラック場を量子化しミンコフスキー真空をリンドラー状態のエンタングル状態として記述できることを4次元の場合に対して拡張する研究を行っている。カスナー時空とリンドラー時空の量子場を関係づけることによって、ミンコフスキー時空全体を部分的座標上に構成する場の状態を用いて、ミンコフスキー真空の非局所相関の構造を統一的に明らかにする研究成果として発表する予定である。また、カスナー時空とリンドラー時空ににおいて重力波であるテンソルモードの解析解をRegge Wheelerゲージのもとで発見した。
著者
山本 一博 松岡 明裕 稲木 勝英 古川 浩三
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.409-415, 1994
被引用文献数
1

A patient with multiple injuries in the pharynx and esophagus caused by a dog bite was discussed. Examination showed two perforations in the digestive organs: One was located at the left pyriform sinus and the other in the wall of the cervical esophagus. The sternocleidmastoid muscle, anterior cervical muscle, internal jugular vein and sympathetic nerve trunk were also invaded by the trauma.<br>If an injury to the esophagus is suspected it is usually necessary that diagnosis and treatment be done as quickly as possible. In this case, a esophagial injury was diagnosed at an early stage, because saburras were found in the avulsed wound to the cervical skin. There is usually a high possibility of multiple wounds and more serious subcutaneous damage compared to size of a lesion on the surface of the skin in dog bite injuries, and it is indispensable to understand all existinn wounds before beginning surgical treatment.