著者
桐原 隆弘 今井 敦 中島 邦雄 小長谷 大介 福山 美和子 熊谷 エミ子 増田 靖彦 西尾 宇広 稲葉 瑛司
出版者
下関市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究はF・G・ユンガー『技術の完成』(1939年執筆、戦後に公刊)における技術論を哲学、ドイツ文学、エコロジー思想、科学技術史の各観点から総合的に検討することを目指した。同書の論点として、①機械論的自然観と有機的生命観/人間観/社会観との絡み合い、②技術による富/余暇の逆説的な減少過程、ならびに大衆のイデオロギーへの感染性および技術時代の戦争の全面戦争への展開、③富(存在および所有)と時間(生産および余暇)の理論を軸とするエコロジー思想の萌芽を読み取った。ユンガー自身が有するこれら複数の論点を照らし合わせる作業から、科学技術の公共哲学的意義をめぐる議論に新たな一石を投じることができよう。
著者
西尾 宇広
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要. ドイツ語学・文学 = Hiyoshi Studien zur Germanistik (ISSN:09117202)
巻号頁・発行日
no.54, pp.49-82, 2017

はじめに : 前史としての世紀転換期1. 「世界苦」の亀裂とその射程 : ハイネ2. 「引き裂かれた」時代の文学 : 若きドイツ3. 「引き裂かれた人々」の複数性 : ウンゲルン=シュテルンベルク4. 「引き裂かれた男」と「喜劇」の幕切れ : ネストロイおわりに : ケラー