著者
串上 元彦 東 冬彦 炭谷 昌克 国正 紀彦 玉置 幸子 玉置 英人 玉置 政子 玉置 英夫 河合 純 伊藤 秀一 西岡 新吾
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.144-149, 1994-01-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
15
被引用文献数
2

従来,胃アニサキス症の治療に関しては内視鏡による虫体の摘出が確実と言われている.最近われわれは腫大した胃皺襞の間に刺入して観察も摘出も困難であった胃アニサキス症の1例に対してガストログラフィンを散布したところ,アニサキス幼虫の運動が停止し,鉗子で幼虫の体部を容易に摘み,抵抗なく摘出しえた.他の2症例に対してもガストログラフィンを散布したがほぼ同様に摘出が容易であった.胃アニサキス症において内視鏡検査後に発生するAGMLの誘因として大量の送気による胃粘膜の過伸展も推定されており,このことからも巨大皺襞間隙に刺入した胃アニサキス症や複数匹の穿入例,また部位的にアニサキス幼虫の頭部を摘まみ難い例などにはガストログラフィン散布は非常に有用であると思われる.胃アニサキス症の虫体摘出にガストログラフィンを初めて試み,良好な結果が得られたのでここに報告する.
著者
原 猛 阪口 昭 竹中 成之 堀本 亜希 森 紀香 大畑 博 西 彰平 伊藤 秀一 西岡 新吾
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.36-40, 2000

症例は52歳,女性.嘔気にて内視鏡検査を施行,胃体部を中心として,大小さまざまな腺窩上皮型過形成性ポリープを認めた.3個の人きなポーブは内視鏡的に切除し,他の多発性ポーリープは毎年経過観察を行った.4年後ポリープは不変であったが,H. pylori陽性判明し,除菌療法を行った.1年2カ月後,多発性ポリープはほとん消失しており,胃過形成性ポリープにH. pyori除菌療法が奏効する可能性が示唆された.