著者
梅原 猛
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.1, pp.13-23, 1989-05-21

アニミズムはふつう原始社会の宗教であり、高等宗教の出現とともに克服された思想であると考えられている。タイラーの「原始文化」がそういう意見であり、日本の仏教はもちろん、神道もアニミズムと言われることを恥じている。しかし私は、日本の神道はもちろん、日本の仏教もアニミズムの色彩が強いと思う。それに、アニミズムこそはまさに、人間の自然支配が環境の破壊を生み、人間の傲慢が根本的に反省さるべき現代という時代において、再考さるべき重要な思想であると思う。
著者
伊東 俊太郎 安田 善憲 小泉 格 速水 融 埴原 和郎 梅原 猛
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
総合研究(B)
巻号頁・発行日
1990

平成2年9月14日に平成3年度より出発する重点領域研究「地球環境の変動と文明の盛衰」(104 文明と環境)の第1回研究打合わせ会を京都市で実施した。出席者は研究代表者伊東俊太郎ほか13名。全体的な研究計画の打合わせと,今後の基本方針の確認ならびにニュ-スレタ-用の座談を実施した。平成2年12月1日,雑誌ニュ-トン12月号(教育社刊)誌上にて本重点領域研究にかかわる特集を組み,発表した。重点領域研究の広報活動の一環として研究計画の概要を朝日新聞11月6日付,毎日新聞1月3日付,日本経済新聞2月11日付に発表した。平成3年2月21日,ニュ-スレタ-「文明と環境」出発準備号を刊行し,関係者に配布した。内容は対談梅原猛・伊東俊太郎,座談安田喜憲ほか5名,特集,速水融ほかで31ペ-ジの構成である。大変好評で,日本経済新聞3月21日付にも紹介され,多くの研究者,企業関係者から問い合わせが殺到した。平成3年2月28日,第2回研究打合わせ連絡会を京都市で開催した。出席者は伊東俊太郎ほか重点領域計画研究関係者58名であった。午前中全体集会を実施し,午後分科会に分かれて,今後の研究方針について話し合った。今回の研究打合わせにより,58名もの参加者を得たことは,4月以降の本格的な出発に明かるい希望を抱かせた。平成3年3月8日,文部省にて重点領域研究審査会を実施し,公募研究の候補を選定した。
著者
白田 英樹 富久 章子 笠原 猛
出版者
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所
雑誌
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所研究報告 (ISSN:1347099X)
巻号頁・発行日
no.3, pp.85-90, 2003-12

ブロイラーのコマーシャル鶏を用いて魚粉(動物性蛋白質)を用いない飼料がブロイラーの生産性に与える影響について検討を行った。平成14年10月15日から12月10日までの56日間、雌雄別飼で試験を実施した。8週齢までの育成率は、試験区:98.0%-100%、対照区:98.0%-100%であった。8週齢時の体重は、試験区雄:3554g、雌:3130g、対照区雄:3566g、雌:3093gで両区で差は見られなかったが、6-8週齢の1日1羽当たり飼料摂取量では試験区が有意に多かった。肉色では、むね肉及び腹腔内脂肪色でa値b値で試験区の色が薄く、差が見られた。浸透圧及び血液ガスでは一部で差は見られたが、飼料の違いによる傾向は確認できなかった。
著者
磯山 直彦 及川 真司 御園生 淳 中原 元和 中村 良一 鈴木 奈緒子 吉野 美紀 鈴木 千吉 佐藤 肇 原 猛也
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.763-769, 2008 (Released:2008-11-07)
参考文献数
13
被引用文献数
2 4

For the purpose of marine environmental radioactivity monitoring, stable Cs and 137Cs concentrations were obtained from 214 marbled flounder (Pleuronectes yokohamae) samples collected from off the coast of Ibaraki prefecture in Japan in 2005 and 2006. Prior to the investigation, an analytical method for the determination of Cs in muscle of marbled flounder samples by inductively coupled plasma mass spectrometry (ICP-MS) was seriously considered from the view point of sample preparation (wet way) to a Cs measurement. Since major problems in determining Cs by the ICP-MS is the interference of matrix materials and molecular ions on Cs peak area (m/z 133), a known amount of In (m/z 115) was added to the sample solutions as an internal standard. To check the accuracy of the determination, duplication analysis and standard reference materials were used. Analytical results of Cs in muscles samples by ICP-MS agreed well with duplicated samples, and standard reference materials. The standard length and body weight were obtained from a total of 214 flounder samples. The stable Cs, stable K and 137Cs concentrations in muscle were determined by ICP-MS, flame photometry and radiochemical analysis, respectively. The mean standard length correlates closely with the mean body weight. The stable Cs concentration was in proportion to the body weight, also, the 137Cs concentration correlated closely with the stable Cs concentration in muscle. On the other hand, a stable K concentration was found to be uniform, and unrelated with 137Cs and stable Cs concentrations. The specific activities, the ratio of 137Cs/stable Cs in muscle, was found to be 5.5∼6.7 with an average of 6.2±0.35 (SD) among five different size groups of the standard length of marbled flounder samples. From these results, ICP-MS provided useful tools for the determination of a trace amount of Cs in muscle samples, combined with wet way pretreatment techniques. In addition, marbled flounder proved to be a useful species for comparing the radioactivity of fishes in coastal seas around Japan with each other in the environmental radioactivity monitoring program.
著者
堀内 康生 木寺 克彦 志野 和子 尾崎 元 舟木 仁一 上野 成子 吉村 彰友 菅原 猛行 藤谷 宏子 玄 俊孝 更家 充 中島 理 一色 玄 夏原 由博
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.15-21, 1990-08-25 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14
被引用文献数
3 2

7施設に通院ないし入防中のダニに高い抗体価を有する喘息児47例を対象に防ダニ布団カバーを使用し臨床症状の経過およびダニ数の計測を行った. ダニ数の計測に際し, 防ダニカバーを使用しない群を対象群とした. 防ダニカバー使用群では使用1カ月後にダニ数は著明な減少を認めた. 発作点数も減少し咳漱・夜間睡眠などの臨床症状も改善した. しかし, 夏季にはダニ数が増加し, 臨床症状も悪化した. 室内のダニ繁殖による侵人が考えられ, この時期には除湿や部屋の掃除を徹底することが必要かと考えられた.
著者
梅原 猛 梅原 ひまり
出版者
朝日新聞出版
雑誌
週刊朝日
巻号頁・発行日
vol.113, no.34, pp.57-61, 2008-07-18
著者
梅原 猛 Takeshi UMEHARA
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
進歩主義の後継ぎはなにか;高等研報告書0325
巻号頁・発行日
2002-05-17

基調講演「進歩主義の後継ぎはなにか」
著者
夏原 由博 堀内 康生 木寺 克彦 志野 和子 尾崎 元 舟本 仁一 上野 成子 吉村 彰友 菅原 猛行 藤谷 宏子 玄 俊孝 更家 充 中島 理 一色 玄
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.305-309, 1991
被引用文献数
2 2

高密度織物を寝具カバーとして使用した場合にダニ汚染を防ぐ効果の試験を行った。試験は22人の喘息患児の寝具を対象とした。寝具を2群にわけ, 一群の敷布団, 掛け布団, 枕を高密度織物製のカバーでおおい着用群とし, もう一群はカバーでおおわず非着用群とした。寝具はさらに供試カバーの上から木綿のシーツでおおい, 同じシーツをコントロールにも使用した。ほこりはカバー着用前と着用4週間後に木綿シーツの上面2m^2から採取した。検出されたダニは主にヒョウヒダニ属であった。カバー使用の結果, ダニ個体数は生死体とも有意に減少した。着用4週間後に多数のダニに汚染されていた敷布団(ダニ生体10個体以上/2m^2)はカバー着用群(0/8)で非着用群(2/14)より少なかった。多数のダニ死体による汚染も着用群は非着用群よりより少なかった(1/8および9/14)。

1 0 0 0 OA 膵臓手術

著者
海道 利実 宮地 洋介 三本松 毬子 中林 瑠美 武田 崇志 鈴木 研裕 松原 猛人 横井 忠郎 嶋田 元
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.186-191, 2022-10-15 (Released:2022-11-15)
参考文献数
23

膵臓手術には,膵頭十二指腸切除術(Pancreaticoduodenectomy:PD)や膵体尾部切除術などがある.特にPDは,膵や胆管,消化管の再建を伴い,術中の腹腔内汚染などに起因する手術部位感染(Surgical site infection:SSI),特に臓器/体腔SSIの頻度が高く,術後在院日数延長の一因となっている.さらに膵臓手術患者は,術前低栄養や糖尿病,サルコペニアなどを合併していることが多く,SSI発生を助長している.したがって,膵臓手術においては,手術手技や術中の感染症発症予防対策とともに周術期代謝栄養管理がきわめて重要である.そこでわれわれは,2020年4月より「PD術後10日以内の自宅退院を目標アウトカムとするクリニカルパス」を作成し,臓器/体腔SSI予防ならびに早期退院を目的とした周術期代謝栄養管理を開始した.術前は評価に基づく術前栄養運動療法,術中は臓器/体腔SSIの発生を防ぐ工夫,術後は早期離床,早期経口摂取開始などである.その結果,PD施行連続30例の臓器/体腔SSI発生率は3例(10%),術後在院日数中央値は8日(6‐26)と良好な結果を得ることができた.
著者
笠原 猛 澤 則之
出版者
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所
雑誌
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所研究報告 (ISSN:1347099X)
巻号頁・発行日
no.2, pp.68-70, 2002-12

市販成鶏用飼料にタウリンを添加し、産卵後期に強制換羽を施した採卵鶏の卵重抑制を試みた。供試鶏には、66週齢時に絶食による強制換羽を施した。タウリン飼料(0.5%添加)は、80週齢~88週齢に給与した。その結果、タウリン飼料給与は、卵重や卵白重量を減少させた。また、このことにより、M・Lサイズ卵は増加した.。
著者
梅原 猛
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
no.1, pp.p13-23, 1989-05

アニミズムはふつう原始社会の宗教であり、高等宗教の出現とともに克服された思想であると考えられている。タイラーの「原始文化」がそういう意見であり、日本の仏教はもちろん、神道もアニミズムと言われることを恥じている。しかし私は、日本の神道はもちろん、日本の仏教もアニミズムの色彩が強いと思う。それに、アニミズムこそはまさに、人間の自然支配が環境の破壊を生み、人間の傲慢が根本的に反省さるべき現代という時代において、再考さるべき重要な思想であると思う。
著者
榎原 猛
出版者
京都大学 (Kyoto University)
巻号頁・発行日
1966-03-23

新制・論文博士
著者
梅原 猛
出版者
岩波書店
雑誌
文学 (ISSN:03894029)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.p50-61, 1980-05
著者
原 猛 阪口 昭 竹中 成之 堀本 亜希 森 紀香 大畑 博 西 彰平 伊藤 秀一 西岡 新吾
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.36-40, 2000

症例は52歳,女性.嘔気にて内視鏡検査を施行,胃体部を中心として,大小さまざまな腺窩上皮型過形成性ポリープを認めた.3個の人きなポーブは内視鏡的に切除し,他の多発性ポーリープは毎年経過観察を行った.4年後ポリープは不変であったが,H. pylori陽性判明し,除菌療法を行った.1年2カ月後,多発性ポリープはほとん消失しており,胃過形成性ポリープにH. pyori除菌療法が奏効する可能性が示唆された.
著者
折田 悦郎 新谷 恭明 藤岡 健太郎 梶嶋 政司 永島 広紀 陳 昊 井上 美香子 横山 尊 市原 猛志 田中 千晴
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

戦前期の帝国大学(以下、帝大)のうち、法文学部が設置されたのは九州帝大と東北帝大だけであった。東京、京都の両帝大には、法学部、文学部、経済学の3学部が置かれ、一方、九州・東北帝大以降の北海道、大阪、名古屋の各帝大には、法文系学部は設置されなかった。このことは法文学部の存在そのものが、帝大史研究の中では一つの意味を持つことを示唆している。本研究は、このような法文学部について、九州帝大の事例を中心に考察したものである。