著者
西村 実穂
出版者
東洋大学ライフデザイン学部
雑誌
ライフデザイン学研究 (ISSN:18810276)
巻号頁・発行日
no.8, pp.223-233, 2012

幼稚園への通園手段である通園バスの利用状況及び通園バスついての保育者の考えと課題について明らかにすることを目的に、幼稚園教諭に対する質問紙調査を実施した。バスの運行状況としては複数のコースが設けられ、運行時間は長時間に及んでいることが明らかになった。保育者は、バス乗車による体力的な負担が生じることや、保育時間の差が生じるといった問題に加え、乗車時のルールを守らない保護者がいることを問題とらえていた。特別なニーズのある子どものバスの乗車に関しては、多動な子どもが座っていられないという安全確保ができない状況を危惧する保育者が多かった。このような状況から、保護者はバス通園の利点と欠点を理解したうえで通園手段を選択する必要があると考えられ、保育者にはその子どもに合った通園手段が選択できるよう、保護者への情報提供が求められると考えられた。