著者
井上 大樹 安心院 朗子 谷口 隆憲
出版者
一般社団法人 日本予防理学療法学会
雑誌
日本予防理学療法学会雑誌 (ISSN:24369950)
巻号頁・発行日
pp.JPTP-D-23-00009, (Released:2023-08-04)
参考文献数
27

【目的】靴の種類や特徴を統一したサイズが異なる靴を用いて,高齢者における靴のサイズ適合性が歩行安定性に影響を及ぼすかを検討した。【方法】介護予防教室体験会に参加した高齢者27 名を対象とした。歩行能力の評価には,3 軸加速度センサにて歩行速度,歩幅,歩行周期のばらつき,歩行の動揺性の指標となるRMS を算出した。靴のサイズ測定は,Brannock device にておこない「適合」,「不適合」の2 条件に合致する靴を準備した。対象者ごとに無作為に割り付けた順に靴を着用し,歩行能力の測定をおこなった。 統計解析は,靴のサイズ適合性における歩行関連指標の比較に対応のあるt 検定をおこなった。【結果】適合と不適合を比較して,不適合の靴を着用した場合,前後のRMS のみ有意に低値を示した。【考察】歩行時の推進力に影響を及ぼした可能性が考えられるが,さらなる検討が必要である。