著者
五島 義昭 青山 英樹 西沢 健治 柘植 治人
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.147-153, 1988-03-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
17

PC粒の形態,主成分である澱粉の性質,および大気条件下で, 160~200℃に加熱した時の膨化機構等,以下の事項についてDC, WCと比較検討した. i)コーン粒のいくっかの種類より単離した澱粉粒子の比較, ii)粒構造の特性, iii)加熱中の膨化における粒の走査電子顕微鏡による観察. (1) PCより単離した澱粉粒子の性質は,アミロース含量が, DCのものより高いものの(約3%),糊化特性や糊化温度において, DCと類似した値を示した. PC種の特徴はむしろ穀粒の特異な構造にあると考えられた. (2) 膨化中のPC粒の走査電子顕微鏡による観察から,角質胚乳における澱粉は, 160℃以上で糊化し,空気の膨張によるはちの巣状の構造をつくることが明らかとなった.膨化した生成物において,膜のような薄いフィルムは,糊化,焼結した澱粉によりっくられた. (3) 膨化するコーン粒において,澱粉粒子は130~170℃の範囲で糊化し,糊化の程度は65~75%であった,PCの調製において,本質的に重要なことは,加熱中に内部蒸気圧に十分耐えることを可能とする外皮の性質にある.
著者
後藤 浩介 西沢 健 田中 一雄 松岡 智之
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.6-9, 1998-03-30

阪神淡路大震災以降、防災への意識が一気に高まり、各家庭や自治体などで防災資材や食料の備蓄、準備が進められている。しかし、個人的なサバイバルのための食料や、避難所生活で必要となる仮設トイレなどに比べて、震災発生から避難所生活に至るまでに発生する災害に対する準備例えば倒壊家屋からの救出、二次災害防止、消火活動などに関わる資材にまでは、なかなか進んでいないのが現状である。一方、現状の防災用品の備蓄場所については、小学校や公民館、市役所など公的な施設に集中的に管理されているか、街区公園の防災倉庫、自治会役員宅などに収納されている場合が多い。ところが、家屋の倒壊や火災についてはいつ、どこで発生するか分からないという点で1箇所に集中して配備するより、災害時の早急な対応のためには分散して収納、配置することが望まれている。また、公園等に設置されている防災倉庫については、ベニヤ板による手作りの倉庫や家庭用の既製品が流用されていることも多く、倒壊、火災などで利用出来なくなる恐れも指摘されている。その他、景観的には狭い公園の敷地に唐突に置かれていたり、日常の利用がないために公園のスペースを狭くしているなどの問題も発生している。本プロジェクトは、上記のような防災用品の備蓄および防災倉庫の現状を背景として、二次災害を防止するための救助用資機材を分散して準備すること、及びそのために日常的な利用価値をあげて分散配置を促すことを目的としてベンチの基礎部分を収納スペースとした防災対応の新しいストリートファニチュアの開発である。