著者
西沢 富江 春日 規克
出版者
至学館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

筋損傷は一過性除神経を引きこす。運神経終末と筋の再接合期に、筋線維は多重神経支配を受ける。その後、余剰神経が排除されて単一神経支配の状態に戻る。筋損傷から再生過程に起こる余剰神経排除の選択はその後の筋線維タイプの決定を左右するだろう。一方、余剰神経の選択的排除には運動が大きく関与し、筋線維から運動神経終末へ何らかの情報が発信されている可能性が考えられる。筋の情報としてミオシン重鎖mRNAの発現量があげられる。そこで本研究では、一過性除神経期の神経筋接合部形態と運動がミオシン重鎖mRNA発現量に及ぼす影響から仮説を検討した。結果、運動に伴うミオシン重鎖mRNA発現量の増加、筋線維タイプ移行が示された。一過性除神経期の運動は、筋から神経への情報伝達に関与し、余剰神経の排除に影響を及ぼす可能性が示唆された。