著者
西田 知史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3F4OS2301, 2022 (Released:2022-07-11)

AIは近年目覚ましい進歩を遂げているが、人間がAIに対して潜在的に有する負のイメージはいまだ払拭されていない。本研究では、そのようなAIに対する負のイメージが、AIの生成した視覚情報に対して、実際の見た目とは無関係に人間の選好を低下させるか検証を行った。この検証のため、敵対的生成ネットワークによって生成した様々な顔画像の魅力度を評定する実験を実施した。ただし、被験者に対しては、半分の画像は実在人物の顔画像、残り半分の画像はAIが生成した架空の顔画像だと虚偽の教示を行った。この実験デザインにより、視覚特徴とは無関係に、被験者の先入観のみが魅力度評定に与える影響を評価できる。結果として、AI生成画像という教示が、魅力度評定を下げるとともに、大脳皮質の広い領域にわたり脳活動パターンを変化させることを確認した。これにより、対象の視覚情報がAI生成物だという先入観のみによって、その情報に対する人間の選好が負のバイアスを受けるという行動レベルおよび神経レベルの知見が得られた。
著者
藤山 千紘 小林 一郎 西本 伸志 西田 知史 麻生 英樹
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.169-170, 2017-03-16

我々は、常に次の状態を予測しながら日常生活を送っている。これは、我々がもつ脳の大脳皮質における予測符号化の機能が行っていることであり、近い将来を予測することによって生物としての個体を守っている。本研究では、この機能を模倣した深層学習により動画像から次の時刻の画像を予測することを目的とする。
著者
西田 知史 西本 伸志
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

近年、深層学習は物体識別のようなパターン認識課題において非常に優れた成績を示している。しかし、最新の深層学習ネットワークを用いても、感覚入力パターンから、それと結びついた人間の主観的判断(例:嗜好、印象)を推定することは未だ難しい。そこで本研究では、深層学習の特徴表現に脳の情報表現を統合することで、そのような推定問題における深層学習ネットワークの性能を向上させられるか検証を行う。まず、深層学習ネットワークにおける視覚入力の特徴表現と、同じ入力対する脳内の情報表現の間の対応関係を、計測脳応答を用いて事前に学習する。次に、その対応関係を用いて、新たな視覚入力に対する深層学習特徴表現を脳内情報表現に変換する。そして、変換された情報表現を用いて、その視覚入力が誘発する人間の認知内容を推定する。その結果、脳内情報表現を統合したときのほうが、推定性能が向上することを、2つの推定課題を用いて例示する。本研究で採用する深層学習と脳情報の統合手法は、人間の主観的判断の推定において、深層学習の性能を向上させる、効果的な方法論を提供するといえる。
著者
松尾 映里 小林 一郎 西本 伸志 西田 知史 麻生 英樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

本研究は,画像を見た人の脳の活動パターンをfMRIで観測し,人が画像刺激によって頭の中に抱いた意味表象,すなわち画像によって想起された事象を,観測されたデータから深層学習を用いて説明する文生成手法を構築する.その際、画像に映る事象に対して自然言語による説明文を生成するキャプション付けの技術の援用や,事前学習の導入などを検討し,大規模なデータ収集が困難な脳活動データの効果的利活用を行う.
著者
川瀬 千晶 小林 一郎 西本 伸志 西田 知史 麻生 英樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

fMRIを使用し測定した動画視聴時のヒトの脳活動データとその動画を説明する文書の分散意味表現をそれぞれスパースコーディングを用いて辞書と係数に分解し、これらの係数同士の対応関係を捉えることで新しく観測された脳活動データに対して言語表象を推定する。スパースコーディングを介して推定を行うことで精度の向上を確認した。また、重要単語を考慮した意味表象を作るなどの工夫を行い、提案手法の正当性の追認を行った。
著者
西田 知史 西本 伸志
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた脳情報解読は実世界における様々な応用が期待されているが、新たな解読をするたびにfMRIによる脳活動計測が必要となり、その計測コストが応用の大きな障壁となっている。そこで本研究では、視覚コンテンツに誘起される知覚経験を推定するための脳情報解読として、解読モデルを構築後は追加のfMRI計測を必要としない、全く新しい形の解読手法の提案を行う。提案手法は、個人脳データから構築される、視覚情報が誘発する脳活動を予測するモデルと、予測した脳活動から知覚内容を解読するモデルから構成される。学習済みの2つのモデルを連結することで、新規の視覚情報に対して、追加のfMRI計測なしに個人の知覚内容が推定可能になる。検証の結果、提案手法は知覚内容を適切に推定し、かつ知覚の個人差も推定することが示された。これにより、提案手法は、任意の視覚入力により誘起される個人の知覚経験を、脳内知覚表象を介して推定する計算システムとして機能することが示唆された。
著者
藤山 千紘 小林 一郎 西本 伸志 西田 知史 麻生 英樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

我々は、常に次の状態を予測しながら日常生活を送っている。これは、我々がもつ脳の大脳皮質における予測符号化の機能が行っていることであり、近い将来を予測することによって生物としての個体を守っている。 本研究では、この機能を模倣した深層学習モデルに対して、画像刺激を受けている際の脳活動との相関関係を考察する。