著者
西田 隆政
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要. 文学・文化編 (ISSN:1347121X)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-7, 2003-03-18

小松英雄は,平安朝の和文文献は,書記様式として句読点の存在しない,「連接構文」のテキストであり,句読点をつけることは不要かつその表現性を無視することになるとする。しかし,句読点の存在しないことが句読をおこなうこと自体を否定するものではない。また,現代語のような句点で文をくぎること自体はおこなわないものの,用言等の終止形だけでなく,ほかの構文的な条件の存在によって,そこで文がくぎられることがしめされる場合がある。句読点のような文のきれつづきを明示する符号の存在しないことで,構文的な自在性は保持しつつも,文の終止もしめすことのできるのが,和文の構文的な特徴であったとかんがえられる。
著者
西田 隆政
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要. 文学・文化編 = Konan Women's University researches of literature and culture volume (ISSN:1347121X)
巻号頁・発行日
no.39, pp.1-7, 2003-03-18

小松英雄は,平安朝の和文文献は,書記様式として句読点の存在しない,「連接構文」のテキストであり,句読点をつけることは不要かつその表現性を無視することになるとする。しかし,句読点の存在しないことが句読をおこなうこと自体を否定するものではない。また,現代語のような句点で文をくぎること自体はおこなわないものの,用言等の終止形だけでなく,ほかの構文的な条件の存在によって,そこで文がくぎられることがしめされる場合がある。句読点のような文のきれつづきを明示する符号の存在しないことで,構文的な自在性は保持しつつも,文の終止もしめすことのできるのが,和文の構文的な特徴であったとかんがえられる。